ブランドは一日にして成らず Part.5 ~一番伝えたいことは何?~
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このnoteでは、アイコミのコンサルタントが日々のお客様との関係性の中で気づいたこと・学んだことを通して組織が変わるヒントを発信していきます。
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あなたは自社の全ての商品やサービスの特徴や魅力をどれだけ語ることができますか? そこで最も伝えたいことは何ですか?
先日、あるコンサルティング会社のマーケティング営業組織体制づくりのプロジェクトで、メンバーからこんな声があがりました。
同社のようなコンサルティング会社のサービスは目にみえづらく、導入費用もかかるため、近年は、自分たちのサービスの特徴を感じてもらう入口となる商品(システムや診断ツールなど)の開発に力を入れていました。そこでそれらの商品に触れてもらうため、担当部署に関わらず全員が全商品の営業をできるようになろうと社内での商品勉強会を行い、そのための営業ツール(商品カタログや営業トークマニュアルなど)も整えていったのです。 しかし、同社社員の多くが自身の専門分野の商品は担当するお客さまに説明するものの、専門分野外の商品には二の足を踏み、なかなかお客さまや営業先に話しをしてくれないのだと営業企画チームのメンバーは不満げに言うのです。
さらに、商品の機能や特徴が説明しやすい営業ツールやマニュアルを充実すべきでしょうか?商品勉強会を頻繁に行うべきでしょうか?
以前のことですが、銀座のアップルストアで企業向けワークショップを実施していた頃、弊社向けにプログラムを企画していただいてアップル社員が講師となり1~2時間のレクチャーをしていただいたことがありました。
こちらからのあらゆる質問に対し、その方はアップル商品の機能や特徴の説明ではなく、その背景や根底にある、他社とは起点や発想が異なるアップル独自の思想や哲学(当時CEOのスティーブ・ジョブズの思想も含め)を語っていたのが印象的でした。
そこに立ち返ると言った方がいいでしょうか、商品も開発も人財育成も店舗のあり方も…あらゆる質問やテーマも、その全てが一貫した思想につながっていき、それは意図的でなくごく自然に、その人の言葉で語られていました。 ああ、この人は、アップルの思想がまさに自分の思想や価値観と重なっていて、そのため自分の言葉となって、私たちをはじめ多くの人々に語り継いでいるのだろう。
そういうかたちで語られると、こちらも共感・共鳴しやすく、ワークショップが終わった頃にはすっかりアップルのファンになっていた私たちがいました。
もちろん、製造業など自社の思想やブランドが商品として目に見えやすい企業と、流通やサービス業やBtoBなど目に見えづらい企業では、自社の思想やブランドを伝える難易度に差はあるかもしれません。
けれども、何より大事なのは、自社の商品・機能・サービスの全てにつながる自社としての思想が込められていること。その思想が提供する社員一人ひとりに理解され、実感されていることです。
そこではじめて、ブランド浸透者・体現者となった社員や関係者が、それぞれの言葉で、商品やサービスにも受け継がれた自社独自の思想に自信と誇りをもって語っていくのです。
さて、先ほどのコンサルティング会社のプロジェクトでも、商品の機能・特性を理解する前に、自社のブランドに込められた思想や精神を今一度、全社員に丁寧に共有していくことが決まりました。
新入社員など新しいメンバーも加わり、一緒に活動をはじめる時期です。あらためて…
「なぜ、私たちはその商品・サービスを提供しているのか?」
「それらを通じ、お客さまやあらゆる人々に何をもたらしたいか?」
「そのため全てに共通する私たちのこだわりは?」
まずは自分の考えや思いを語り、メンバーも語り、それぞれの違いや共通性に気づく中から、自分たちのブランドが一番大事にすべき・したいことを見出していく。そんな対話からはじめてみませんか?
このnoteの投稿者:チーフコンサルタント/藤掛 里花
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