見出し画像

まいにち無職#15「無職慣れ」

無職15日目。
「無職」という状態が、良くも悪くも馴染んできてしまった。
けれど、あと10日もすれば私は飛行機に乗り、フェリーに乗り、リゾートバイト先へと旅立つ。
ワクワクと不安を背負い、安らぎの地、青森から飛び出すのだ。
それはまでの「無職」という特異な期間を、味わい尽くそうではないか。

今日は久しぶりに晴れた。それだけで嬉しい。
目覚めた時に外が明るいと、朝が来たという気分になる。
庭へ出て思いっきり伸びをして、深呼吸するのが気持ちいい。
いつもの野良猫は、液体化したかと思えばごろりと寝転がり、背中がかゆいのか地面に擦り付けていた。
なんだかバカっぽくて可愛い。(褒め言葉)

晴れているので洗濯物を回して、その間は庭の手入れに勤しむ。
無心で、生え放題になっている雑草を抜いていく。
ゴミ袋がパンパンになる頃には、いい汗をかいている。
野良猫に見られながら、平日の朝からせっせと草をむしる24歳無職。
ご近所さんから心配されないか不安だ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

いつもこの「まいにち無職」ではお昼ごはんを紹介しているので、たまには夜ごはんを紹介しようと思う。
とはいえ、夜はかなり質素だと思う。
夜あまり食べない方が、よく眠れるし、なんだか体調がいいのだ。
だから必然的に、昼がやや豪華というか、手の込んだものを作ることになる。
ちなみに昼は、安くなっていたぶりのお刺身を食べた。
ぶりはあまり癖がなくて美味しい。
2人前くらいぺろりと平らげられそうだ。
話は戻って晩ごはんのことだが、私は最近いつも同じメニューだ。

何かしらの生野菜と、きなこ豆乳(ホット)、ミックスナッツ少し。これがいつメンである。
驚かれそうだが、意外と丁度いいのだ。
最近、トマトが美味しい。
赤々として艶やかなトマトを洗って、冷やして、そのままかぶりつく。
適度な甘さに、さっぱりとした美味しさが病みつきなのである。
そして、夏でも身体を冷やさないように、豆乳は温めて飲んでいる。
きなこと、ラカント(甘味料)を入れる。
きなこも私の大好物のひとつで、正直そのままでもイケる。むせるけど。
母と私はご飯にかけることもあるのだが、これは我が家だけなのだろうか。
おはぎだとか、ヨーグルトにももちろん相性抜群。
きなこは当たり前だが砂糖不使用なのに、ほんのりと甘いから不思議だ。
そして、ミックスナッツ。
私はナッツがとにかく大好きで、毎日適量を必ず食べる。
塩がかかっているものも美味しいが、常用しているのは素焼きのもの。
これが香ばしくてハマる。
ナッツならなんでも好きだが、特にアーモンドが好きだ。
身体にもいいので、ナッツは最高のオヤツである。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

今日の午後は、キャリアカウンセラーさんの元へ行ってきた。
その施設で何人かお世話になっている方がいるのだが、今日はその中の1人の男性(細身のおじさん)と面談だった。
面談というよりは雑談で、かなり気楽に利用させてもらっている。
もちろん、就職活動の悩みや面接練習など様々な目的で利用することができる。
私も前職はこちらの施設の紹介で決めた。
在職中も、退職した今も、気さくな職員さん達が歓迎してくれるおかげで、プライベートも交えた相談に乗ってもらっている。もちろん無料だ。

家族や友人以外の人に、自分の考えや気持ちを話すことは、非常に大切だと思った。
全く別の視点から言葉をくれたり、新しい発見があったりする。
話すことで自分の思いに気がついたり、再確認したりすることもできる。
上手く言葉にできなくても、彼らは決して馬鹿にしたりはしない。
だからこそ安心して、楽に話すことができる。
今日は、リゾートバイトへ行くことが決まったこと、将来への諸々の不安、でもやっぱり叶えたい夢のことなどを時間いっぱい話した。
カウンセラーのおじさん自身、見た目からは想像がつかないくらいアクティブな人生を送っていて、その話を聞くのも楽しかった。
無職になると、意識しない限り家族や友人以外の人間とのコミュニケーションが減ってしまう。
だからこそ、積極的に新しいものに触れて、人と話して、心を動かしていきたい。
もちろん1人で過ごす時間も大切に、だ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

明日は、東海道新幹線が計画運休するらしい。
東北新幹線も、一部運休が決まっている。
明後日は今のところ通常運行するようだが、まだ油断はできない。
それにしても、新幹線なんてものすごく便利なものだと思うのに、それが当たり前になっていることに気付く。
交通機関が止まるという事態になって、そのありがたみを知る。
改めて、文明の進歩に感謝しようと思った無職である。
ひとまず明後日、無事に仙台へ行けることを祈りながら、明日は明日を楽しもうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?