10/21 喫茶K記録
今日は久しぶりに喫茶Kへ行った。
それまで毎週のように通っていたけれど、ドイツに行ったり、タイミングが合わなかったりして、気づけばほぼ1ヶ月ぶり。
いつだって、待ってましたよという顔で「こんにちは」と言ってくれる。それだけで満たされた気持ちになる。
文豪席に座って、注文を伝えてから本を開いた。しばらくすると、店主さんが何も言わずにandymoriの『革命』を流してくれた。
「あっ」と思わず声が出た。驚きと嬉しさで、心の中がぽっと温かくなった。大阪で一人きりで、しんどいことも多かったけれど、こうやって待っていてくれる場所があるんだ、と感じた。私にとって、帰るべき場所がここにあったんだ。andymoriが好きで本当によかった。
店主さん、ありがとう。
『革命』は私が一番好きなアルバムだった。久しぶりにアルバムをフルで聴くことができて、なんだか感慨深かった。それも、ジャズ喫茶店でお客さんがいない時にひっそりとかけてもらえるなんて、こんな贅沢があるだろうか。
高校生の頃、毎日のようにandymoriを聴いていた。電車の中、布団の中、いつもandymoriがそばにあった。
高校へ行く電車が動き出すタイミングで『革命』を流して、最寄り駅に着くころにはちょうどアルバムが終わる。それが日常だった。
あの頃、私はいつだってandymoriを聴きながら、自分の内面と向き合って、自由への渇望や社会への反発(といっても可愛いくらいのものだけど)について考えていた。
だからこそ、こんなところでオムライスを食べながらandymoriを聴くという今日のこの瞬間が、なんだかとても大人びていて、少しおかしくて笑ってしまった。「投げKISSをあげるよ」では涙が出そうになったけど。
音楽は不思議だ。時間を超えて、心の深い部分に触れる力を持っている。
andymoriが終わると、店主さんはいつも通りジャズのレコードをかけ始めた。
私はゆったり本のページをめくる。
ジャズのレコードが終わったタイミングで、そろそろ帰ろうかなと思っていたその時、またしても懐かしい音が店内に流れた。
「ベ、ベースマン…!」店主さん、andymoriの『光』をかけてくれたのだ。驚きと嬉しさで胸がいっぱいになった。
なんだかかわいらしい心遣いに、思わず微笑んでしまう。せっかくだから、アルバムが終わるまでお店にいることにした。
クラブナイトの「君の好きなレコードをかけるよ」という歌詞が、今の自分にぴったりで、また涙が込み上げてきた。
音楽は、いつだって変わらずそばにいてくれる。光を聴いていると、前向きな気持ちになれた。
店主さんにドイツのお土産を渡しながら、ここに来てよかったと心から思った。
明日からまた頑張ろう。
喫茶K、本当にありがとう。