9/28 沈む季節

夏から秋への変わり目が、本当にだめだ。
昔からこの季節になると、身体も心も、何もかもが下へと引っ張られるように落ちていく。

こんな時、よく自分が深海に沈んでいく姿を想像する。
青く暗い海の奥深くに、静かにゆっくりと、何の抵抗もできずにただ落ちていく。
光は遠ざかり、音も消えて、ただ冷たい水の中で深く深く沈んでいく。

ふと思い出すのは、漫画『違国日記』での朝の台詞。

「孤独とか静寂とか、いい意味でも悪い意味でも、風景があるとしたらどんな?」

朝の孤独は、広大な砂漠だと言っていた。
他の登場人物たちも、それぞれに森や浜辺といった形で、各自の孤独を抱えている。

私にとって、孤独は深い海だ。
静かにすべてを飲み込んでいく海底。
息苦しくて、でも同時に誰にも触れられない安全な場所でもある。

孤独には形があって、それは人それぞれに違うんだな、と思うと少しだけ救われる気がする。

今日もわたしはその深海へ沈んでいく。

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