きっと忘れない

今日は尾崎豊の誕生日だと朝のテレビが教えてくれた。
「僕が僕であるためにやりたいことは?」という導入。シンプルだけど、ずっしり重い問い。導入に消費されただけで、そのあとはくだらない内容だったけど。

尾崎豊。わたしの両親がまだ出会う前、それぞれ10代の頃に夢中になっていた人。父の部屋にも、母の部屋にも、尾崎のアルバムがあった。
そのアルバムたちが2人を超えて、わたしのもとへやってきた。だから、実家には同じアルバムが2枚ずつある。

そしてわたしも10代の頃、もういない尾崎を追いかけた。憑かれたように聴いた。薄暗い部屋で、ベッドにうずくまってよく聴いていた。専門学校を退学した時も、そのアルバムたちがそばにいてくれた。現実と向き合うための武器だった。

それからもう何年も経った。今、わたしは26の代。いつの間にか彼の年齢を超えそうになっている。

尾崎豊より年上になりたくない。
でも時間は確実に進んでいく。わたしがどんなに足掻いても止まらない。

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