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路上
ページをめくって吉祥寺駅から公園、めぐりあう恋人たちの漕ぐオール、嫉妬する女神がカラーコンタクトを装着、沈みゆくボート
気がつけばぷかぷか、御茶ノ水へと流されて神田川、せっかくなので詩を詠む、
編集長たちのビルディング、その谷間を流れるマニキュア色たち、それは夢を運ぶハチドリのような近未来タクシーだ。
運ばれてお台場ライヴから貴様たちへダイヴ、踊りかかれフィネガンズ・ウェイク、もう滅茶苦茶、部屋とYシャツと私、
たどり着いたら四時二〇分の退屈、学生なら東京ディズニーランド、けれども割り引けないこの躰、ぢっと手を見る。
世界を錯綜する道の数々、私たちは路上を逸脱したり真ん中を走ったり傷ついたり繰り返したりそうじゃなかったり、
あの燃える地平線へ、今日の陽がどうどうと落ちていく、誘われる眠りの香り、ひと息ついたらそっととじて