「働きやすさ」と「働き甲斐」のバランス
「働きやすさ」と「働きがい」… このバランスは難しい。
「働きやすさ」をつくるには,規制を強める必要があり,
「働きがい」を高めるには,自由度を高める必要がある。
相反する性質だから難しい。
働く人たちの実態に合わせて改善していかなくてはならない。
■働きがい
私たち教師の職業は,「働きがい」を維持しつつ,業務改善を図っていくべきである。
業務を一律に削減しても業務改善はうまくいかない。
なぜなら,一人一人が感じていること.見ていることが違うからだ。
だから,それぞれが負担を感じる業務や不要だと感じる業務を見える化し,理解し合い,相互支援できるようにしていくことが大切なポイントになる。
■「業務」を分析する
「業績分析シート」(愛媛大学の露口教授)を使って、職員のグループワークを実施した。
この4領域は,
① 取り組みたいことをやっているという「働きがい」,
② やりたいけどやれていないという「焦り」,
③ やりたくないけど仕方なくやっているという「負担感」,
④ やる必要性を感じないという「手抜き」
に分類される。
このシートに具体的な業務の付箋紙を貼っていく。
それを個で取り組み,グループで話し合うというワークである。
■一人一人が「働きがい」「負担感」を自己分析する
例えば,A先生は「ICT活用」を「① 働きがい」のところに置く一方,
B先生は「③ 負担感」のところに置くようなことがある。
このような場合は,”相互支援”という形が望ましい。
また,「入試の採点」を「③ 負担感」に多くの先生が置いたとする。
このような場合は,”削減”か”業務委託”のような形を検討することになる。
一昔前の自分自身を思い出すと,
「働きがい」を感じる業務といえば,「授業」「部活動」「道徳の時間」「生徒指導」等であったと思う。
「負担感」のある業務は、「会議」「ICT」などだったかもしれない。
当時,職員室の柱に「長い会議は身体に悪い」という標語を勝手に作って貼っていた(笑)……ある意味で見える化(笑)。
■グループで分析し、相互理解を図る
さて、その後のグループでの話し合いは,
「 負担感」の領域をメインに話し合うことになる。
この「負担感」を生じさせる要因としては次の4つが挙げられる。
① 目的性の欠如(生徒とのかかわりがなく,する理由がわからない)
② 限定性の欠如(いつ終わるかわからない)
③ 主体性の欠如(提案がない,改善の余地がない)
④ 関係性の欠如(その人と仕事がしたくない)
これらの要因を分析しながら、それぞれが負担を感じる業務を見える化し,理解し合い,相互支援できるようにしていくことが大切なのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?