~第215回~「雅楽とスサノオノミコト」
雅楽は日本が生んだ総合芸術です。
①日本古来の儀式音楽や舞踊など
②飛鳥時代から平安時代初め頃までの間に中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽や舞
③平安時代に日本独自の様式に整えられた音楽など
を指し、それぞれ以下のものが伝わっています。
①日本に古くから伝わるもの
【国風歌舞】『古事記』『日本書紀』の伝承に由来するものや、日本各地の風習に由来するものなどがある。
②外来のもの
【唐楽(とうがく)】中国、インド、南ベトナム等より伝来したもの。器楽合奏の管絃と、舞のある舞楽。
【高麗楽(こまがく)】朝鮮、中国北東方面などより伝来したもの。昔は管絃もあったが現在では演奏されず、舞楽のみが演奏される。
※唐楽による「舞楽」を左方、高麗楽による「舞楽」を右方と呼ぶ。
③平安時代にできた歌曲
【催馬楽(さいばら)】民謡などの歌詞に拍節的な節をつけて歌うもの。
【朗詠(ろうえい)】漢詩に非拍節的な節をつけて歌うもの。
実は、高麗楽にスサノオノミコトに関する「蘇志摩利(そしまり)」という演目が伝わっています。
別名「長久楽(ちょうきゅうらく)」「蘇尸茂利(そしもり)」とも。
天を逐われて新羅に渡ったスサノオと息子神である五十猛神が曽尸茂利の地で大雨にあい、青草で作った簑笠で雨を凌いだという故事を基にしてできた舞と伝わっています。
10世紀成立の日本最古の百科事典『和名類聚抄』に「高麗楽曲にある蘇志摩利はその地の風俗を歌う曲である」とあります。
これは『日本書紀』 に「天(古事記では高天原)を追放された素戔嗚尊とともに新羅曽尸茂梨に天降りた」と書いてある事によるのでしょう。
日本神話に登場する数多の神々の中でも、珍しく大陸での逸話が記されており、そして高麗楽にも描かれる須佐之男命。
日本が古来、海の向こうへも意識を馳せ、かつ交流があったことを感じさせますね。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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