~第230回~「十三夜」
10月15日の晩、武蔵一宮氷川神社で第35回観月雅楽演奏会が開催されました。
夜空には十三夜の月が輝き(時に朧月夜に)、会場にいる誰もが雅楽の音色と月を愛でた一晩となりました。
十三夜とは、陰暦9月13日夜のことを言います。
この夜は、十五夜の月に次いで月が美しいといわれ、古くより日本ではこの日に月見をする慣習がありました。
また、陰暦8月15日夜の芋名月に対して豆名月や栗名月などといい、後の月見 (あとのつきみ)とも言われます。
起源は定かではありませんが、平安時代の延喜19年(919)に醍醐天皇が清涼殿で月見の宴を催し、詩歌を楽しんだのが始まりとする説が一般的です。
また、平安時代後期の書物『中右記 (ちゅうゆうき)』保延元年(1135)9月13日の条に「明月の宴」が催されたことが記され、宇多天皇が「今夜の名月は並ぶものがないほど優れている」という意味の詩を詠んだとの記述もあり、風習として親しまれていたことがわかります。
十五夜も十三夜も観月の風習がありますが、観月と言う行事は月に農作物の豊穰を祈る祭礼として定着し、特に秋の月を尊ぶのも稲穂の成熟と深い関係があると言われます。
先に、十三夜は豆名月や栗名月とも言うと書きましたが、この時期に収穫期を迎える豆や栗を旬のものとしてお供えしてお月見をしたためです。
観月の行事は、日本人が実りに感謝し、自然に感謝して暮らしてきたことを今に伝える行事でもあるのです。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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