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千葉雅也『現代思想入門』を読みながら「アート思考」について考える/一日一微発見303
千葉雅也氏の『現代思想入門』が出版されたので読んでいる。
デリダ、ドゥルーズ、フーコーを中心にその背景にあるニーチェ、フロイト、マルクスなど「源流」そしてラカンやルジャンドルら現代思想の前提となっている思想家も整理してあり、実に快著と言えるだろう。
現代生活に忙殺される毎日の中で、よく生きるための「目安」をつけておくには実に役立つ本で、僕は大学での授業でも学生たちに必ず読みなさい、と勧めている。
しかしなぜ現代思想が現代生活にとって必要なのだろうかと問う人もいるだろう。
「難解」で「重い」(そう見えるだろう)思想に関わってなんかいられないよ、という声が聞こえてくる。
SNSとセルフィーとマウンティングの時代なのだから。
僕は、この千葉雅也氏があげる思想家たち(あとつけ付け加えるならば、ロラン・バルト)に極めて大きな恩恵を被ってきた。
70年代の中頃から彼らの本は日本で翻書が出るようになり、それ以前のイデオロギー系の本にとって変わったときに僕は大学生だったからだ。
サルトルやハイデガーの代わりにデリダを読みマルクスの代わりにフーコーを読み、そしてフロイトを読むかわりにドゥルーズやラカンを読んだ。
それは体験的には「速度」と「深度」そして「開放度」を調律するためのものとして使ってきたのだ。
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