【嫌ですか?】授業見学への意識を変えたい
授業見学をされたことはありますか?
私は日本語学校で働いていますが、
きっと他の教育現場でも
授業見学は行われていると思います。
授業見学は、その名の通り
ほかの先生の授業を観察することですが、
その大きな目的は、
他の教師の授業を見ることで
授業を改善することです。
普段している自分の授業を振り返ったり、
相手の先生の授業の良いところを見つけたり。
見学することのメリットはたくさんあります!☺
ですが、
そうはわかっていても
「自分の授業を見せたくない」
と考える先生は少なからず存在します。
今回は、
そんな授業見学に対する教師の反応の分析と、
見学の意義について考えます。
自分の授業を見られたくない心理
授業は見られたくない!
そう思う方はどれくらいいらっしゃるか、
私は調べたことがありません。
ただ、周囲の先生方の言葉を
聞いていると、
できればしないでほしい、という声が多い気がします。
みなさまもそうお考えですか?
正直、
私も見学が嫌でした😅
それは、
自分が悪い授業をしていると思われそう、と
不安だったからです。
私は授業が下手だと
自覚していましたし、
クラスの雰囲気が崩壊していたときもありましたから、、、
見学されて、
「こんな授業の人に任せていたのか」
「クビ!」
ト思われないか、ヒヤヒヤしていたのです。
私のようなタイプは、
新人の教師に多いと考えます。
授業や学校に慣れておらず、
教員としての自信があまりないからです。
しかし、違う理由で
見学を嫌がる先生もいらっしゃいます。
それは、
授業技術を盗まれたくないという理由です。
これは
日本語業界の特徴なのでしょうか。
日本語教師は、
約7割が非常勤と言われています。
それはつまり、
学校を掛け持ちしたりして、
まさに自分の技術で稼いでいる方が
多いということです。
私は、非常勤が「教師として」
劣っているとは全く思いません。
むしろ、非常勤だからこそ、
豊富な経験と深い知識を持つ方が
たくさんいらっしゃいます。
事実、専任だけで成り立っている学校は
ほとんどないでしょう。
しかし、
このように経験を買われる
日本語教師の世界だからこそ、
自分が苦労して作り上げた授業技術を
盗まれたくないという気持ちが生まれるのです。
私は、
ベテランの先生に授業見学を申し込んだ時、
断られたことがあります。
その理由はまさに、
ワザを知られたくないというものでした。
あるとき、
私はその先生にメッセージをしました。
経験豊富で、学生からも教師からも
評価が高い方だったので、ぜひ見学したい、
とお願いしました。
しかし、「できません」とだけ返事が来ました。
私は、それほどその文言に
意味は考えていませんでした。
ただ、そのやり取りがあった次の週、
学校へ行くと、私がその先生に見学を頼んだと
教師陣に知られていました。
そして、専任の先生が、
授業は自分で良くするものだ、とおっしゃって
私の見学を断ったと言ったそうです。
その際、ほかの先生方は
「見学させてあげたほうがいい」と
伝えたそうですが、
聞き入れられなかったとか。
長年日本語教師として
積み上げてきた方も、
新人の時代には色々な苦労をされたのでしょう。
そして、現在よりも「自分でなんとかする」
風潮があった当時、
それを乗り越えた価値あるものを
簡単に見せたくないのでしょう。
その気持ち、わかります!😢
私自身、今の授業スタイルは
やっと作り上げたという意識があり、
悩んだ時を乗り越えた賜物です。
ただし、授業を見せないことは、
日本語業界への大きなデメリットを
はらんでいます。
言い換えれば、授業を見せるだけで、
業界にはメリットがあります。
加えて、授業を見せた教師へのマイナス面は
ほとんど存在しません!!
授業を見せる業界全体へのメリット
大きく分けて、
教師と学生の双方に利点があります。
【教師】授業の質が上がる
教師は、
普段は囲われた環境で授業をします。
学生以外に見る人はいませんし、
授業後にメモ程度の引継ぎを書くにしても、
上手くできなかった点を
隠すことができます😅
他の先生の授業を見たり、
自分の授業を見られたりする経験がなければ、
自分の中で定まったやり方を
変えられません。
そしてその場合、
教師が質の悪い授業をしていても、
改善することは難しくなります、、、
授業に慣れていない先生が、
時間をかけてコツコツ改善するより、
上手な先生の技を取り入れる方が
上達が早いんです!
実際、私も
自分の授業の問題点や、
どうしたら良くなるかなど、
先輩の先生から学んだことが多くあります!
先生方が授業を見せてくださらなかったら、
私は日本語教師を辞めていたかも、、、
🌟
上手な先生から学んで、
授業が少し改善されたら、
教えるのも楽しくなります!
授業見学は「特効薬」なのです💊
それでも、やっぱり
ワザをまねされるのは嫌、と
思われるかもしれません。
しかし、
そのワザは共通価値ではないでしょうか?🤔
ベテランの先生の技術を
まねしたところで、
その先生と全く同じようにはできません。
質問の仕方、
プリントの配り方、
ホワイトボードの使い方…
そのすべては、
その先生に合うように
作られているからです!
見学者は、そのやり方を取り入れ、
何度か授業を繰り返すにつれ、
徐々に自分に合ったものと変化させていきます。
そうして、一人一人の先生に合った
やり方が確立されていきます。
まねされるのは名誉です!
上手だと思うから、
その先生の技術を使ってみるのです。
そもそも、参考にするものがない先生を
見学したら、まねすることもありません。
加えて、まねした教師が、
良い授業をするようになり、
評価が高くなったからと言って、
苛立つこともありませんよ!
だって、その先生は
見学したことで得た技術だと
深く理解しているでしょうし、
見学した先生を尊敬するはずだからです☺
【学生】学力が上がる
学生からしても、
良い授業のほうが
学力を上げることができます。
わかりにくく教えられても、
試験当日や実際の使用場面で困るでしょう。
そして、クラスの担当教師や学校に対して
不満を抱くようになります、、、
見学によって
質の高い授業をする教員が増えれば、
学生も一回の授業ごとに
きちんと学習でき、余裕が生まれます。
私が働いているときには、
ある先生がうまく教えられなかった授業を、
もう一度別の先生が教えなおすことがありました。
これは、学生にとっても学校にとっても
負担が大きいものです。
だから、
お願いします、授業を見せてください!!!
授業は、
一人でも少しずつなら上手になるでしょう。
しかし、それには
膨大な時間がかかります。
教師も学生も苦しむ
その時間を短縮することは、
日本語教育の全体の質を
上げることになります!
新人のときに
苦労した経験があるなら、
そしてそれを糧に
よい授業を完成させたのなら、
それを見せてほしいのです!
ただそれだけで、
業界全体が救われます☺
悪い授業と思われそう、という方へ
私もそうでした。
でも、そんなに深く考えすぎないでくださいね!
自分の授業が上手くなるのは、
授業を客観視し、
その弱い点を改善したときです。
そしてそのためには、
・自分の授業にコメントをもらう
・先輩の先生の授業を見て、いいところを見る
が一番手っ取り早いです。
いろんなことを言われた、
自分はダメダメだった、
と思う必要は全くありません☺
業界全体にも教師の成長にも、
授業見学は欠かせません。
(意味のない非難や、
授業者に迷惑をかける観察は
言語道断ですが)
今後、授業見学が
みなさまに大きな成長を
もたらしますように!
こんなことを偉そうに書いている投稿者の、
過去の散々な授業はこちら
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