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奈良愛を語るとわたしの色艶が増すのである、の巻。
かき氷が食べたい。
奈良のかき氷。
みんな奈良をばかにするけれど、わたしは奈良が大好きなんだ。
奈良はどこよりもテーマパークだと思う。
明日香にいけばその牧歌的な、緑と空と樹と無意味にデカい石と寺しか見えない風景にやられるし。
斑鳩にいけば壮大に合理的に人を助けるよろこばせるということをうつくしくちからづよく建築にあらわした偉大なる法隆寺をぐるりと囲む古民家カフェたちのかわいさ美味さにやられるし。
桜井に行けばそこここに圧倒されるしかない畏怖すべきものすごい仏像がたくさん見られるし。
橿原周辺にはやはり神武天皇のおわした背筋の伸びるような情熱と覚悟の空気を感じて身が引き締まるし。
吉野のお山の桜はもちろん、新緑に紅葉を背景にした金峯山寺の愉しみの多さはどんだけいにしえからの娯楽施設やねんと思うし。
薬師寺唐招提寺周辺にも緑多く金属を見かけない牧歌的な街並みがぎゅっとつまっているし、なにより薬師寺のかわいらしさは飛鳥浄御原天皇の繊細できめ細やかな愛を感じられるし、ちかくにはうまい蕎麦屋がいくつかあるし。
平城京跡には朱雀門と近鉄電車を眺めながら美味しいコーヒーと落ち着いた空気をあじわえるすてきなカフェがあるし。
奈良市の春日大社と東大寺の優美な巨大さたるや!鹿は眺めているだけで癒される。
わたしはきっと、前世では奈良に生まれ奈良を愛してそだち、いわれなき罪を着せられて佐渡あたりに流罪になり、奈良を恋しがりながら死んだ人間であったに違いない。
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個人的に、奈良にはたべものの美味しいお店が多い様に思える。
大阪や東京で修行してこられた方々がひろびろとしてひとびとは鷹揚で、のんびりとそだてられた野菜のうまい奈良に戻り、地元でのびのびとすてきな空間と仕事を愉しまれておられる気がする。
わたしはお店の人に顔を覚えられたり、親しくされるのを好まないのだけれど、奈良のオーナーさんたちはいい感じでしらんぷりしてほうっておいてくれるのがいい。
オーナーさんがこだわって、好きなものを集めて作り上げ、丁寧に慈しんで取り扱っているさまに触れたくて通うのだ。
おひとがらは、お店にふんだんにあらわれている。あえて会話してなまにふれずとも、じゅうぶん心地好い。
「はて、イチカには親密感へのおそれがあるか」などとイヤらしくながめるカウンセラー諸姉諸兄よ、その見立ては正しい。
が、まあ、ふだんひとと密に接する商売をしている以上、オフの時間にはひとりの空気をあじわいたいのである。
自分をとりもどすには、ひとりでいるのがいちばんの薬なのだから。
と、まあ、久しぶりに恋人を満遍なく堪能した翌朝の肌つやに微笑しつつ。
今日からまたひとりを愉しむ生活である。
今日のドーパミン
●奈良にはたべものがらみで名店がたくさんある。
●好きなものをこれでもかというくらい好きだ好きだと書き記すのはとてもテンションの上がる、自己肯定感upに良い作業。
●ひとりの時間を意識的に多めにつくるとじぶんの精神が整う。
読んでくれてありがとう。
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