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【なんでもぶっこみ】おかずみそ汁がしみじみとおいしい

一条

土井善晴先生の配信を見て、1杯のおみそ汁を作って食べた話。

土井善晴先生の配信を見た

昨日土井先生のオンライン配信イベントを見た。「料理する人になろう！」というもので料理初心者向けの配信だ。

土井先生は野村周平さんとの「チョイ住み」見たときから大好きです。数年前、著書の「一汁一菜でよいという提案」も図書館で借りて読みました。そのときはちゃんとその考えを取り入れられていたはずなんだ……。けれど忙しい毎日に心はすり減っていき、毎日の食事もおろそかになっていた。引かれるの覚悟で具体的なことを言うと、大抵の食事を白米＋お弁当用の冷凍食品2つもしくは3つにしていた。お弁当用の小さいとんかつ2つとか小さいメンチカツ1つと小さいからあげ2つとか。元々少食だから量は問題ない。栄養バランスはさぞかし悪かろうだが意外にも毎年血液検査の結果は「お手本のようなデータ」と医者に褒められるほど良いものだった。医者に「食事とかも気をつけているんでしょう？」と言われたときは「いやぁ……」と苦笑するしかなかった。人間の体の順応性に感嘆するばかりだ。
健康上の問題は（とりあえずは）なくても、心は乾いていく。食事に楽しみを見いだせないでいた。毎日タッパに入れて冷凍してあるご飯をチンして、お弁当用冷凍食品をチンしてYouTube見ながら口に運ぶだけ……。
自炊すればいいことは分かっていた。料理系の動画を見ることもあった。でも面倒というのがいつも勝ってしまった。この面倒が性格的なものなのか心身が疲れているからなのかは分からない。きっと両方なんだろう。
このままじゃなぁ、という思いは心のどこかにずっとあった。そんなときたまたまこの土井先生の配信のことを知った。最初は初心者向けかぁ……と思った。初心者ではないからなぁと……。というのも一人暮らしはじめてからは料理をすることはめっきり少なくなったが実家にいたときは食事当番は私だった。高校卒業してからくらいかな。ほぼ毎日家族のご飯を作っていた。クックパッドが流行りたてくらいでいつもクックパッドを見て料理していた。その頃は特に苦痛ではなかったように思う。でも一人暮らしはじめてからはだめですね。やる気がないし気力もないし……。まあそんなこんなで迷ってたんですけど土井先生が視聴は初心者じゃなくてもいいって言ってくれてたし無料で見られるというのにも惹かれて視聴することにしました。感想、

笑って泣いて勉強になって最っっ高でしたわ……

泣くことになるとは思わなかったけどとある言葉に涙出たもんな。それがこれ。

自分の言葉じゃないのにバズってしまいなんだか申し訳ない……。でもそれだけ多くの人に響く言葉なんだと思う。

腹筋で卵をよそう先生やみそ汁にバタートーストを入れる先生も印象に残っているがこの言葉はこの先忘れることがないような気がしてる。そうでありたいな。

知らなかったこと、勉強になることもたくさん教えていただいて単純な私はおみそ汁作りたーーい！！！となった。一夜明け、今日はちょうど休み。冷蔵庫の中はからっぽ。よし！買い出しから行くぞ！こうして私のおみそ汁づくりがスタートしたのだった。


いつものスーパーで好きな食材を買う

土井先生が言っていた。「入れたくないものは入れなくていい」って。当たり前のことだけど私は目から鱗だった。また「感性が大事」というようなことも言っていた。なので私は買うものを特に決めずにスーパーへ行った。まず豆腐。木綿より絹が好きだな。絹を買う。次に野菜コーナー。野菜コーナーをこんなにじっくり見るのはいつぶりだろう。今まではちょっと料理する機会があってもレシピ通りにしなくちゃと思ってレシピにある野菜や肉を買っていた。目的の野菜まで一直線で他には見向きもしなかった。でも土井先生が教えてくれたおみそ汁は別。好きなものを入れていいし入れたくないものは入れなくていい。野菜コーナーを見ながら私は自分の気持ちと向き合っているのを感じた。野菜は基本的に好きじゃないけど中には好きなのもある。オクラ、好きだな。冷たいのじゃなくて焼いたのとかあたたかいやつ。キャベツ、昔土井先生の本で焼いたキャベツをおみそ汁に入れるとおいしいって書いてあって試したときほんとにおいしくて驚いたな。トマト、昔から好きだけどそういや全然食べてなかったな。配信でおみそ汁にトマト入れてておいしいのかな？って思ったけど試してみたいな。どうせ作るのは1杯分だもの。好みじゃなかったら残りのトマトは塩かけてかぶりつけばいいんだし。
いろんなことを考えながら好きなものだけをかごに入れていく。ただ量は気を付けた。野菜はそんなに長くもたないだろうからちゃんと食べきれる量をと。なのでさつまいも、かぼちゃもちょっといいなと思ったけど今回はやめておいた。
肉系は豚バラはなんかちょっと好きじゃなくて、厚切りのベーコンも気分じゃなくてウインナー見て、あ、ウインナーいいじゃん！食べたい！と思ったので買う。ちなみにウインナーは前にシャウエッセンの食べたことがあるけど他のウインナーとあんまり変わらないなと私の舌は感じたので（舌は肥えてないです。格付けチェックとか絶対無理だと思う……）まあ適当にお手頃価格なものを買った。
あとサバ缶、サバ入れるときっとおいしいよね！と思ったので。ウインナーとは別回で食べようと。
こんなに自分の好みに向き合いながら買い物したのいつぶりだろうな。ほんと新鮮というか。楽しかった。
適当に目についたお漬物を買って、肝心のみそ。たくさんあったけどどこかで迷ったときは地元のものを買うといいって聞いたことがあって、地元のみそを買う。
あとは配信で土井先生がまな板使わずに小さいナイフで野菜切ってたの見てめちゃいいな！と思ったのでフルーツナイフを買う。小さいナイフならなんでもいいでしょと思って。普段気にしてないだけで売ってるもんですねえ。パッケージをレジに持っていって店員さんに実物を出してもらうスタイルだった。なるほどー。
いつものスーパー、正直マンネリだったけどそれは私が冷凍食品コーナーやお惣菜コーナーにしかいかないからで野菜コーナーじっくり見ると楽しかったしお漬物コーナーがけっこう充実してたのには驚いた。なんかいつのまにか視野が狭くなってたなぁ。
無事、買い物が終わった。実に楽しい買い物だった。


さあ作るぞ！おみそ汁！

久々にお椀を出した。洗った。お椀いっぱいになるように具材を入れていく。それが1食分のちょうどいい量。
まずはキャベツを洗って手で千切る。キャベツめちゃくちゃハリがあってびっくりした！千切るときのみずみずしいパリッという音。なんというか、生命力を感じた。キャベツは一足先に鍋で炒める。
続いてオクラ。洗って握ったら、な、なんか指にちくっとしたのが刺さった……。ヘタかな？こんなのも知らないもんなぁ。まな板使わずに小さいナイフで切るの楽だった。
次にトマト。おみそ汁に合うかなー合うといいなーと思いつつ切る。
そして絹豆腐。スプーンですくう。断面がぼろぼろで笑ってしまう。今までは包丁で綺麗に切ってたもんな。そうしなくったっていいんだな。
お椀いっぱいになったのでそれを鍋に入れてお椀1杯分の水も入れる。あとは待つだけ。あ、忘れてた。ウインナーも2本入れた。待ってる間洗い物をして今回は冷凍ご飯があったからそれをチンしてお漬物を小さい皿に盛り付ける。
鍋、ぐつぐついってる。ウインナーと炒めたキャベツのいい匂いがする。
食材の声聞くことが大事って先生言ってた。匂いだったり色が変わったりで食材は伝えてくれてるって。うん、そろそろいいかな。次におみそを入れる。適当に。それで、できあがり。
簡単＆楽しい。なんだろうな、心がクリアに、綺麗になっていく感覚すらするよ。料理っていいな。


いざ！食す！

見た目はまあ、映えないですねぇ。ふふふ。笑っちゃう。好きなものぶちこんだおみそ汁。
おみそ汁をすすって、ほぅっと息をついた。ちょうどいい味。目分量なのに。ナイスだ私。
すこしすっぱい。これはトマトの酸味だ。それがすごくおいしい。さっぱりしてる。他の野菜からもいい旨味が出てておだし入れてないのになんか深い味。たぶんおみそも当たりだ。地元のおみそおいしい。
ウインナーの旨味最高。もうめちゃくちゃ合う。おみそ汁にウインナーは最高です。知れて良かった。
食材ひとつひとつがおいしい。自分の好きなものばっかりっていうのもあるけど自分で料理したからというのもあると思う。極力楽に、しかし愛情を込めて。
はぁ……おいしいな……。合間に食べるお漬物がまたいい。口の中さっぱりさせてくれる。お漬物なんてお弁当買ったときくらいしか食べることないもんな。日常で食べていいんだな。
しっかり味わいたかったから動画とか何も見ず聞かずでシンプルに食に向き合った。それも良かった。つい動画とかテレビとか見ちゃうしいつもそうはできないだろうけどたまにはシンプルに食に向き合う時間を作れたらいいな。
食べ終わって、「おいしかったぁ……」と思わず口に出してしまい、そのあまりにしみじみとした響きに自分で笑ってしまった。
ほんとにおいしかったです。ごちそうさまでした。

キャベツ、オクラ、トマト、絹豆腐、ウインナーのおみそ汁。
これでもすこしは映えるように整えた。

余談。実はこの記事のタイトル、最初は「おかずみそ汁が涙出るほどおいしい」とかにしようと思ってたんですけど過剰表現は良くないかなと思ってやめました……笑　しみじみと、なんだよねえ。そしてしみじみとおいしいことが結局大事なんだよねえ（きっと）。

これから

これからもおみそ汁を作って食べていきたいと思う。無理はせずに。嫌になったらだめだから。疲れて起き上がれないときは寝て、お腹空いて起きたら自分の調子を考えながら料理を作る。おみそ汁は基本だけど、毎回おみそ汁じゃなくたっていい。気の向くままにゆったりと料理して食べて生きていこう。
冷凍庫にお弁当用の小さいメンチカツがあった。……これ、そのまま食べても良いけどおみそ汁に入れても良くない？肉汁が出ておいしそうじゃない？やってみようかな！
これから晩ご飯を作る。わくわくしている。




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一条
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