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箱根と横浜を一人旅した話 その1
2022年になって半月が過ぎた。もう1年のうちの24分の1が終わったのだ。早い。「あけましておめでとうございます」から今日までをあと23回繰り返したら、また次の「あけおめ」がやってくる。やはり早い。無機質で成長のない、当然面白くもない毎日がただ過ぎていき、気付けば来年の今頃になっているのだろう。そして気付けば死んでいる。私は死ぬために生きているのだろうか。
…と勢いでここまで書いた文章を読み返してみたが、とにかく暗い。自分の中ではどちらかと言えば明るい気分のはずなのにこんな文章が息を吐くように出てくるところが、私の根暗さを良く表していると思う。本題の旅の話に繋がるいい感じの導入を書きたかったのに、書いていてどんどん暗い気持ちに飲み込まれそうになるばかりなので、無理矢理にではあるが本題に入りたい。
2泊3日で箱根と横浜を一人旅してきました。
1日目① 箱根ってめっちゃ山なんだね
16時30分に箱根のとある宿にチェックインの予約をしていた。余裕を持って13時過ぎに家を出たような記憶。別に多少遅れたところで何かペナルティがあるわけではないんだけど、自分的に遅くても16時半には着いてのんびりしたいという思いがあったから早めに出た。初箱根にワクワクしていたのもある。
大まかに言うと、まず小田原駅まで電車で行って、そこからバスに乗り換えて宿に向かうという流れ。正直この時のことはそんなに覚えていない。諸事情でとにかく眠かったことだけは覚えている。さらに電車とかバスで揺られるととても眠くなるという性質を私は有しているので、この時間は常に睡魔と戦っていたような気がする。寝てしまうと乗り換えが上手くいかなかったり、旅の様子を写真に収めることができなくなってしまうから。
写真は小田原駅から宿に向かうバス車内の様子。全然混んでなかったから一安心。ゆったりと外の街並みを眺めながら宿に近付いていく。出発してからしばらくは、どこにでもある普通の街って感じだなと考えたりしていた。そういえば、どこにでもあると言えばこういう路線バスの車内って全国どこでも大体こんな感じな気がする。大学時代に全国一周しました、みたいな人間ではないから確かなことは知らないけど、私の知る限りはほんとどこでも一緒。
そんな話はどうでも良くて、どこにでもある街だと思っていた景色が少しずつ変わっていく。何やらバスの進行方向に隆々とした山が見えている。「おお、箱根っていう所はこんなに山沿いにあるんだね。」、「そういえば箱根の地形なんてものは全く想像も調べもせずに来たなあ。」なんて思っていたら、いつしかバスは坂を上っていた。
くねくねと走る坂道をひたすらに上っていく。「これはただの坂道ではない。山道だ。」そう気付いた頃には乗るバスを間違えてしまったのではないかと疑い、少し焦っていた。車内で「次は○○」とアナウンスがある度に、事前に調べていた宿までのバス停の順序をスマホの画面上で確かめる。しかし、間違いなどなかった。この山道の先に目的地があるとスマホが言っていた。スマホというかグーグル先生が。先生の過去の揺るぎない実績がいくらか私を安心させた。
くねくね山道もいつしか終わり、穏やかな道になっていく。さっきまで木と道路と車くらいしか見えなかったような車窓に、少しずつ建物が増えていく。あまり覚えてないけど、住宅とか、駅とか、食べ歩きもできそうな店とか。そして何より、「温泉」とか「旅館」とか書かれた看板を見つける度に、「ここは本当に箱根らしい」と思う。私は箱根にやって来たのだ。
「次は、天悠。天悠です。お降りの方は…」というアナウンスが遠くから聞こえた気がする。数秒後ハッと目を覚まし、降車ボタンに手を伸ばす。ボタンに触れる直前にボタンが点灯する。他の誰かが先に押したみたいだ。
バスが止まり、やや寝ぼけたままで降りる。
私は目的の宿に着いていた。
「箱根小涌園 天悠」ここが本日の宿。この旅の最大の目的地でもあったここで過ごした1泊はとにかく最高だった。
書きたいことが山ほどあっていつまでも書いてそうなので一旦ここで止めます。多分続きも書くのでぜひ読んでやってください。
(宿に来るまでのたった2、3時間のことを書くのにこんなに時間がかかるとは。この旅の記録はいつ書き終わるのだろうか。)