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帰る  -小説-

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帰る ~小説~前編

帰る ~小説~前編

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その日は、朝から今年五回目の雪が降っていた。

 十八歳になったばかりのとまは、傘も差さずに視線を足元に落として家路を歩いていた。積もった雪を踏む足音が蕭々としてそこここに反響していた。

 空を仰ぎ、吸い込まれそうな錯覚を起こすと、彼の足元はおぼつかなくった。道端にそれ、何かが足に引っかかった。とまは我に返ったが遅く、凍てつくほど冷たい雪につん

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