独裁者ノート 独裁者になりやすい職業

独裁者には誰でもなれる。割り切って人間の尊厳を平気でふみにじる言動をとり、全てを自分で決め、非難や脅迫にも平気でいられるタフさは必要だが、そんなにタフでなくてもストレスをうまく発散できるなら問題ない。自分でやるのが嫌なら後ろで独裁者を操る立場になる手もある。これはこれで常に独裁者に裏切られる危険があるが。
優秀な人間を使いこなせることも重要である。自分よりも優秀な人間を正しく評価することは困難である。なぜなら相手の知識や経験を評価するには、それ以上の知識や経験がないと無理だ。それでも独裁者は評価しなければならない。可能な評価方法はアウトプット、つまり実績による評価しかない。それもうまくごまかされる危険があるが、それくらいしかない。少なくとも感情的に決めるのはお勧めできない。あとは側近にはセキュリティクリアランスとパーソナリティ診断を行い、常時監視を行うのも忘れないようにしよう。

誰でもなれるとはいっても、なりやすい条件はある。

・IT企業経営者
母体をIT企業にする以上、すでに経営者である場合は、独裁者への道が短縮できる。上場してたらさらによい。たとえばAbemaTVを運営するサーバーエージェトだと、IT企業であり、プロキシを持ち、SNSも持っている。独裁者への近道だ。サイバーエージェントでなくとも、上場し、動かせるキャッシュの余裕を持つIT企業ならかなり短縮できるだろう。こうしたIT企業が政治と強い関係を持たないのは不思議だ。

・国会議員
すでに国会議員になっているのであれば話は早い。バックアップしてくれるIT企業を見つけて、ともに独裁者への道を歩むことができる。エコシステムを構築できたら、そこから党内へ根回しを行い、独裁者への階段を昇る。
なお、自民党以外の政党の場合は、自民党へ移ることをお勧めする。自民党以外の政党では長期政権を維持することはできない。

・SNSで多数のフォロワーを持っている人、事務所
YouTuberを始めとして多数のフォロワーを持っている人、インフルエンサーは、それを母体にしてプロキシを作り、ネットワークを拡大してゆくことができる。芸能人のYouTuberは独裁者にうってつけだ。
こうした人々を組織化した事務所であれば、プロキシを持っているようなものだ。あとは事務所社長が独裁者になると決めて計画を立てればいい。
SNSで多数のフォロワーを持ち、政界に進出しているなら言うことはない。

・宗教、思想団体、市民団体
実はこれらはあまりお勧めできない。なぜなら、現代の独裁者は感情に訴えることを旨とするため、論旨は一貫しないし、場合によっては支離滅裂になる。それでも聴衆の感情をゆさぶれればよい。そのため、かっちりした論理や信条が体系化されている組織とはなじまない。
現代社会で独裁者と呼ばれる人々を見れば、言うことが一貫しておらず、そのくせ妙に感情を刺激し、情に訴える発言が多いことが分かるだろう。


最後に繰り返しになるが、独裁者になるのに特別な能力はいらない。しかし、割り切って人間の尊厳を平気でふみにじる言動をとり、全てを自分で決め、非難や脅迫に屈しないでいられなければならない。
独裁者になるために心に刻んでおくべき言葉「人間としてのハードルを下げればたいていのものは手に入る」

よき独裁者たらんことを!

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