【レビュー】『きみが来た場所』
ほとんど本を読んでこなかった人間がポツポツ読書を始めました。
そんな人間によるレビューです。カナリ個人的で的外れな内容もあるかと思いますので、その点ははじめにお断りしておきたいと思います…。
(読書記録も兼ねている為、ネタバレを含みます。お気をつけ下さい)
『きみが来た場所 Where are you from? Where are you going?』
喜多川泰 著 ディスカバー・トゥエンティワン 2017.1.26
●この本について
『ルーツキャンディ』で不思議な体験をする主人公。戦争の最中を生きた人々と現代を生きる人々。そこには繋がりがある。
今日の日本は平和な時代が続き、疎遠になりつつあった戦争という悲惨な過去。それを追体験することができる作品。
しかしそれだけではなく、その時代と現代との関係を知ることで私達が今生きる意味とは何かを考えさせられる作品。
●レビュー
★★★★★(星5つ)
喜多川さんの本を初めてオーディオブックで聞いてから、その世界観に惚れ込んでいくつか作品を読んだ。
そこで出会った今回の一作。あらすじも何も見ずにタイトルだけで選んだ一冊。それが今回は良かった。
戦争に関する作品は、実は悲しすぎて全く手に取ることができずにいた。
しかし、今回この作品が戦争に触れられているとは知らず手にとって読み始めた。
しかし聞き始めたからには後には引けない。
涙を流しては続きを読み続けた。
戦争はもう遠い過去のように思われる今日この頃。しかしながら、それから目を離すことはできない。
今日の世界情勢がその必要性を強く語っているように思えてならない。そういう意味で、この本に今出会えたのは何か運命を感じてしまう。
●真似したい点
・触れがたいテーマに触れた点
・現実とのリンクの仕方
・自分の世界観
●う〜んな点
・辛い…
→戦争などの話が出てくるため
●最後に
細かな内容に触れてしまっては喜多川さんの世界観を楽しめないと思うので、今回はなるべく触れないでおこうと思う。
私のようにこれまでなかなか戦争というテーマになかなか触れられず、しかし読んでみたいという方には入りやすいと思う。
唐突に送り込まれる感はあるけれど、自分ごとと捉えるにはこういう形が一番望ましいのかもしれない。大変オススメの一冊。
生きる意味を問う作品は多いけれど、私にはピッタリな作品だったと感じている。
間違いなく、私の中で何かを変えた作品となった。
タイトルから出会う読書、好きだ。