安田隆夫「運 ドン・キホーテ創業者『最強の遺言』」
・本書は、89年に「ドン・キホーテ」1号店を東京・府中に出店し、幾多の失敗や苦難を乗り越えながら急成長を続け、創業以来34期連続増収増益という驚異的な偉業を達成した著者が、運に関するリアルな処世の書という位置づけで、実学的に運について解説した1冊。
・著者の若い頃は、何をやっても上手くいかず、常に悶々とした思いにさいなまれていた。
・大学卒業後は小さな不動産会社に就職したが、入社してからわずか十カ月後に倒産。そこからは再就職もせずに、ギャンブルで食いつなぐような放浪と無類の日々が始まった。
・「さすがにこれはまずい」と、三十歳を目前に、各地にぼつぽつと登場し始めていたディスカウントストアに目をつけ、必死で稼いだ軍資金の八百万円を全て突っ込み、一九七八年、東京・西荻窪にわずか十八坪の小さな雑貨屋「泥棒市場」を開く。
・ところが、品物を仕入れてもさっぱり売れず、家賃は月二十万円なのに、売上は、一日一万円にも届かなかった。
・なんとか商売のノウハウをつかみ、満を持して一九八九年にドン・キホーテ一号店を立ち上げるも、開業した年の売上はたった五億円で大赤字。その後も、何度もドン底に突き落とされるような経験をした。
・しかしその後、無一文時代から一代で二兆円規模の事業を作り上げた。稀に見るような"大成功経営者"になり得たわけである。
※どのようにして大成功経営者になっていったのか、著者の成功要因はなんだったのかについて述べているが、詳細は本書をお読みください。
・運のいい人とは、「運を使い切れる人」であり、運の悪い人は「運を使い切れない人」あるいは「使いこなせない人」である。
・そうしたことから、本書で定義する運とは、自らの行動によって機能する"変数"のようなものだと捉えてもらっていい。
・誰にでも平等に発生する運の変動をうまく掴めるかによって、ビジネスと人生で勝ちを得る成功者になるかどうかが決まるのだ。
・世の中には、運に対する「感受性」が強い人と弱い人が存在する。運に対する感受性が弱い人は、いくらIQが高くて働き者であっても、仕事や人生でかなりの間違いを犯して損をする。逆に、運に対する感受性が強い人は、多少のハンデなどものともせずに、成功をおさめることができるのだ。
・つまり、運の感受性には、単なる頭の良さや勤勉さなどは関係がない。これらはほとんど、「人間対人間」の問題に帰結するからだ。
※著者は、「運とはどういうものか」「どういったタイプが運に恵まれるのか」についても述べているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「ドン・キホーテが起こした奇跡の源泉」という序章から始まり、「運という未開の大陸に分け入る」「幸運の最大化と不運の最小化」「運の三大条件ー『〇〇』『〇〇』『〇〇〇〇』」「何が運を落とすのか」「最大のキーワードは『主語の転換』」「『集団運』といく弾み車」「自燃・自走の『集団運組織」をどう作るか」「圧勝の美学を語ろう」「人間讃歌こそが私の生き様」という章で構成されており、
◇運は自分自身でコントロール可能
◇〇〇〇をとらないのが一番のリスク
◇〇〇しなければ運は落ちる
◇「私の成功」ではなく「〇〇〇〇の成功」
など、著者が無一文から二兆円規模の企業を作り上げるまでの経験から、「幸運の正体」「運のよい人の特徴」について解説した内容が収録されている。
・自らの運をコントロールし、人生を切り拓きたい方は必読です。この本に出会えたこと自体、あなたは運がよいのです。
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