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中島輝「自己肯定感が高まるうつ感情のトリセツ」

・本書は、心理カウンセラーで、これまでにJリーガーや上場企業の経営者など1万5000名以上のメンターを務めた著者が、どんな人でも、ふとしたときに抱いてしまうさまざまな「うつ感情」の正体と、その対処法について紹介した1冊。

・本書で扱う「うつ感情」は、「ストレス以上、うつ未満」の状態だととらえている。ふだんの生活のなかで感じる抑えづらいイライラや気分の落ち込み、「なんかやる気が出ないな……」と感じてしまう、そんな漠然とした不快な状態まで広めにとらえている。

・「うつ感情」がやっかいなのは、なかなか自覚できない点。そもそも「感情」はつねに揺れ動くものだから。人の感情は「プルチック感情の輪」のなかをぐるぐると回ったり、中央に行ったり外へ向かったりして、ずっと揺れ動いている。
・「うつ感情」がある場合、それを認めることが、回復への第一歩である。急に涙が出てきたり、疲れやすくなったり、学校や会社に行きたくなくなったりするのは「うつ感情」のあきらかなサイン。大切なのは、自分のいまの状態を知って、自分で受け入れて、「どうすれば別の感情へ変えていけるか」と、自分なりのステップを踏んでいくこと。無理やりポジティブになろうとするのではなく、もやもやを感じている自分を、まず「ありのまま」認めてあげることがなにより大切なのである。そうすれば、「うつ感情」から解放されていく準備が整うだろう。

「うつ感情」から解放されるメソッド(シチュエーション別)


Q.朝起きるとすぐに憂うつな気分になってしまいます。
A.憂うつになることの、メリットとデメリットを考えましょう。
・憂うつな気分で朝を迎えるのは、おそらくなにかの不安や、過去のネガティブな出来事の記憶に心がとらわれているから。そんなときは、いったん根本に立ち戻り、「なにが自分をこんなに憂うつにさせるのだろう?」と自分に話しかけてみて、ちょっとした"原因探し"をしてみること。ただし、ますます暗い気持ちになるのを加速させるので、あまり深く振り返らないこと。あくまでイヤな気分をちょっと吐き出すような感じで、どんなことがイヤなのかを振り返るようにすること。
(著者は気分が上がる音楽を聴きながら振り返ることをおすすめしている)
※その際、著者が最後にやってほしいことが書かれているが、それについては本書をご覧ください。


Q.強い孤独を感じ、ふと「死んでしまいたい」と思ってしまいます。
A.みんなと違うからこそ、あなたなのです。、「自由に生きていい」と自分に◯をつけましょう。
・「死んでしまいたい」という思考パターンになりそうなときは、新しく環境を整えてあげることが必要。たとえば、部屋のカーテンを新しく替える、お気に入りの食器をそろえるなど、自分が少しでもラクになるように環境を整えると、意外に「自分のすぐそばに幸せがある」ことに気づける。すると、真っ黒だった心にゆとりができて、やがてパズルのピースがひとつずつ反転していくように、心が解放されていく。「死にたい」と思う人は、それだけ生きるエネルギーが高い人でもある。「まあいいか、自分は自分で」と力を抜いて、自由に生きていくことが大事。


Q.やりたいことよりも、一般的な常識が気になって、「本当の自分」をなかなか出せません。
A.「ねば」「べき」を捨て去って、自分の「好きかも」を最優先しましょう。
・常識はみんなの思い込みなのに、それに対して私たちが「〜ねばならない」「〜すべき」と考えてしまうのは、不安や恐れ、過剰な心配という「うつ感情」によって、「自己肯定感」が弱まっているから。そのため、いまにやりがいを見出せなかったり、自分のダメなところばかりを見たりしてしまう。そんなときは、自分の「やりたいこと」や「好きなこと」の優先順位を上げること。そして、その想いをどんどん行動に移していくこと。あなたの後悔は、あなたしか埋めることができない。あなた自身が、めいっぱい後悔しない人生を歩むしかないのだ。不安からなにかにしがみついて、「ねば」「べき」で生きるよりも、自分で決めて、自分で責任を持ったほうが正しい方向への努力ができる。自分の「やりたいこと」「好きかも」を優先すれば、あなたは自由を謳歌できる。

・本書では、「「うつ感情」ってなに?」「「なかなか動けない・いつも悪いほうに考えてしまう・がんばりすぎてしまう・どうしても自分を抑えられない」のトリセツ」という章で構成されており、「ストレス以上、うつ病未満」である「うつ感情」とうまく、ゆるく付き合う方法が紹介された内容となっている。

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