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大芝義信「自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典」
・本書は、これまでにプロダクトや開発組織アドバイザーとして累計100社、現在は顧問先数十社を支援するほか、国内トップクラスのEQアドバイザーとして累計1000名超のビジネスパーソンに対する実施経験を持つ著者が、すべての方々が感情をマネジメントするスキルを身につけられるよう、基本となる感情リテラシーを提供した1冊。
・快適に過ごし、仕事でもプライベートでも最高のパフォーマンスを出すには、感情のマネジメントが欠かせない。そして感情マネジメントの第一歩が、「自分の感情の正しい把握」である。
・本書では、自分や他者の感情を知る上で役立つツールを紹介している。そのうちのひとつが、「The Mood Mater(ザ・ムードメーター:気分の測定)である。
・これは、心のエネルギーの強さ・弱さと、気分の良さ・悪さの2つの軸で構成されたマトリクスで、合計100種類の感情が示されている、というものである。
・これらのツールを使い、あらためて自分の感情と向き合い、その感情を生み出した原因を何段階も深く掘り下げ洞察していくと、自分では意識していなかった感情・思考・行動の癖を発見するなど、いくつもの気づきがもたらされる。そして見いだされた問題点をもとに、感情マネジメントを進めていく。
・感情をマネジメントするには、まず自分の心に湧いた感情を、「正確に」把握することが必要。「モヤモヤとしたつかみどころのない不快感」のままでは、それに対処することができないのだ。
※本書では「The Mood Meter」のほか、もうひとつ自分の感情が見えるツールについて紹介している。その詳細については、本書をお読みください。
・「怒り」「悲しみ」など不快な感情に長々と苦しめられるのは、自分自身がいつまでもその感情と一体になっているからだ。別の言い方をすれば、きっかけとなった出来事を体験したときの「当事者意識」「臨場感」から抜け出せないことが原因である。この状態は「自己同一化」と呼ばれる。
・この状態から抜け出すためには、その体験を自分から切り離して俯瞰で眺め、「当事者意識」から「傍観者意識」に変化させること。もっとも簡単な方法として、本書では」「オーバールック・ドローイング」を紹介している。
・これは、「1枚の紙とペンを用意し、出来事を図やイラストにして紙に描く」というもの。現実に起きた出来事を洞察し、その出来事に関する客観的な「感想」「分析」を赤いペンで書き込み、他者の受け止め方を冷静な気持ちで分析すると、自分が抱いた「恥ずかしい」「屈辱的だ」「悔しい」という気持ちも和らぐ。
・その一方で、自分の行動(振る舞い)についても、客観的な感想を書き込むことで、どのように反応すれば良かったかが挙がってくる。その正解は1つではなく、自分らしくその場を乗り切る言動であれば何でも酔いが、それを考える機会を持つことに意味がある。
・このようにあらかじめイメージしておけば、その後、咄嗟にはできなかった望ましい反応ができるようになる。そして、「次に同じような場面があったら、うまく対処できる」という心の余裕が生まれるのだ。
※快適な感情を自分でつくるためのもう一つの手法(ワーク)が紹介されているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は、「自分の感情が見える「The Mood Meter」と「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」という序章から始まり、「実は奥深い!身近な「1次感情」を知り尽くす」「複合された「2次感情」を自在にコントロールする」「認めたくないから気づけない!複雑にこじれた「複合感情」「快適な感情を自分でつくる『心のドライビング・テクニック』という章で構成されており、今の感情を知り、最適な対処を行う方法について紹介された内容となっている。
あなたの湧き上がる感情(怒り・嫉妬・憧れ・恥ずかしさなど)について詳しく知りたい方は、ご一読ください。
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