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舟木彩乃「過酷な環境でもなお「強い心」を保てた人たちに学ぶ 「首尾一貫感覚」で逆境に強い自分をつくる方法」

・本書は、カウンセラーとして約一万人の相談に対応し、中央官庁のメンタルヘルス対策や県庁の研修にも携わるストレスマネジメント専門家の著者が、自身がよく受ける相談内容をもとに、「首尾一貫感覚」と「フランクル心理学」(「どんな人生にも意味がある」と説いた心理学)のエッセンスを使いながら、小手先ではない逆境に強い心を持つための方法について紹介した1冊。

・著者はこれまでのカウンセリングや研究から、「逆境に強い人」とは、「首尾一貫感覚」が高い人たちと考えている。

・「首尾一貫感覚」とは、
◎把握可能感(だいたいわかった)ー自分の置かれている状況や今後の展開を把握できると思うこと
◎処理可能感(なんとかなる)ー自分に降りかかるストレスや障害に対処できると思うこと
◎有意味感(どんなことにも意味がある)ー自分の人生や自身に起こることにはすべて意味があると思うこと
という3つの感覚からなっていて、1970年代初頭に、医療社会学者のアーロン・アントノフスキー博士が、医学的な聞き取り調査の結果として提唱したものである。
・首尾一貫感覚は先天的なものではなく、後天的に高められる感覚であり、人が過剰なストレスに苛まれているときは、この3つの感覚が低くなっていることが多い。
※「首尾一貫感覚」の概要については、本書をお読みください。

・首尾一貫感覚を高めるために、まず最初のステップとして、「3つの感覚を使って、悩みごとを整理する」がある。
・心休まることがない場合の一番の大きな原因は、その人が"今"に集中できておらず、本来の自分を見失っていることである。
・こういうときは、自分の置かれている環境を客観的に把握できていないことが多いので、まずは、自分を取り巻く環境について、整理することから始める。そうすることで、どう行動すればいいのかが見えてくる。
・その次に、首尾一貫感覚の3つの感覚をもとに今後のことを考える。そのときのポイントは、「自分が目指す姿や仕事などを考え(把握可能感)」、「それを得るために必要な資源を知り(処理可能感)」、具体的にどのような行動を起こせばいいのか(誰かに相談するなど)を整理し、今の課題に向き合うことにどのような意味や価値があると思えるか(有意味感)ということである。
※それを踏まえた上で、3つの感覚(把握可能感・処理可能感・有意味感)の高め方が紹介されているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「逆境に強い自分になる方法ー首尾一貫感覚とその高め方」「フランクル心理学で考える『人生の意味』」「『夜と霧』から学ぶ、過酷な環境で心を保つ方法」「実践編 首尾一貫感覚とフランクル心理学に基づくトレーニング」「『生きる意味』を考える」という章で構成されており、
◎本当に逆境に強くなるためにどうすればいいか
◎生きるヒントを身につける方法
◎健全な職場の条件とは?
◎つらい出来事を意味のあるものにするにはどうすればよいか
など、ストレスフルな時代である現代の困難を乗り切り、生き抜くためのヒントが収録されている。

逆境から這い上がりたい、困難に打ち勝ちたい方はぜひ手に取ってみてください。

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