佐藤彰悟「No.2じゃダメですか? 支える個性の活かし方」
・本書は、複数の企業・自治体の人事顧問を掛け持つ「越境するNo.2」として、北海道から全国を行き来しながら組織・世代・地域を越境する働き方を発信する著者が、これまでの人生の大半をナンバー2という立ち位置で過ごしてきた著者の処世術を中心に、ナンバー2・支える個性の活かし方をまとめた1冊。
・ナンバー2 は決して「トップのため」に存在しているのではない。「ビジョンを実現させる事業と組織を創る」がナンバー2の存在意義である。
・そのため、結果的に組織で最も影響力がある経営者と接し、支援する場面が多くなるが、その指示を全て鵜呑みにして実行するわけではない。
・例えば、経営者が「採用したい」と人を連れてきたとしても、ビジョンの実現に寄与しない、またはマイナスの影響を発揮すると判断したら直言する。
・経営者から「もう辞めてしまえ!」と言われたことも著者はあるが、ナンバー2は経営者や幹部、メンバーの判断がビジョンの実現とかけ離れていると思うのであれば指示や意見具申を辞めてはいけない。
・ナンバー2が経営者にとってビジョンを実現する「もう一人の自分」となれているならば、それは結果的に自身を、組織を救うことに繋がるからだ。
※ナンバー2がビジョン実現にこだわり続けると、組織にとって良い影響があるが、その詳細は、本書をお読みください。
・ナンバー2は経営者と現場をつなぐ「翻訳家」兼「実務家」の役割を担う大切な存在である。経営者にとって最大の理解者であり、代弁者でもあるナンバー2はある意味「トップの分身」とも言える。
・組織内でナンバー2がうまく機能すれば、その分経営者は自身にしかできない仕事に集中できるようになり、資金調達や情報発信・人脈形成・トップ自ら営業に動くなど組織の未来に繋がる可能性が広がる。
・ただし、そこでナンバー2が気をつけたいのは、「自身が持つ影響力の大きさを理解し、常に自制的に振る舞えるかどうか」である。
・実際現場において経営者不在の際に指揮・決裁を担うのはナンバー2の役割であるため、その影響力は自然と大きくなっていく。
・いつの間にかメンバーから「神の代弁者」かのように見られ、ナンバー2の言うことが絶対的な権威を持つに至る可能性があるのだ。
・ナンバー2人材には自身がプレイヤーとしても長けていることと、物事を整理しわかりやすく伝える言語化能力が求められるのだが、それに加えて、
◇「常に謙虚」であること
◇経営側、取引先の立場を理解し意見具申できるバランス感覚
が求められる。
※著者が「謙虚さとバランス感覚」を欠いて大失敗したエピソードならびに、ナンバー2がトップの分身として現場を指揮する際にもう一つ大切なポイントが紹介されているが、詳細は本書をお読みください。
・本書は「素敵な組織にはナンバー2がいるんです!」「信頼されるナンバー2の十ヵ条」「できるナンバー2の仕事術」「ナンバー2の武器となるコミュニケーション術」「組織と自分を守るナンバー2のリスク回避術」「組織も自分も幸せになれるナンバー2へ」という章で構成されており、
◇できるナンバー2は「◯◯◯」と「◯◯◯」で一体感を創る
◇正義感が湧き上がってきた時こそ冷静に
◇飲み会よりも大切なのは◯◯◯◯
◇仕えてはいけないトップの見抜き方
◇ナンバー2が自分自身の価値を伝える方法
など、ナンバー2の概要と重要性を通じて、ひとりではなく、「みんなで勝つ」ための、自分と周囲の人達を幸せにする意識と行動の秘訣について解説した内容となっている。
経営者など、誰かを支える「ナンバー2」にご興味のある方、「主役以外の生き方」にご興味のある方はぜひご一読ください。
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