こもり旅感想文#10【2024総集編】
2024/12/26(木) PM4:52記
昨日はクリスマスでしたが，皆さまは何かやりましたでしょうか？
シークレットサンタ？
よくわかりませんが，巷では流行っているみたいですね。
誰が誰にあげたかを伏せて交換し合うというやつらしいですが。
こどおじ，猫，未就学児，就学児，生計者の4名で構成される我が家では当然やりようがないので，例年通り少し豪華なお惣菜とケーキを食べ，子供にプレゼントを渡して以上。
でもたまには家族以外の誰かのためにプレゼントを選ぶ機会があっても良いかなぁとガラにもないことを考えたり。
職業柄，相談に乗ることもありますからね。
別にクリスマスじゃなくても良いんですけど。
さて，今回でキリよく10回目のこもり旅感想文。
今年最後ということもあり感想文は一本に絞り，第1〜9回までに掲載した記事とクリエイターさんを総集編として一挙にご紹介します。
そして総集編では，独断と偏見で個人的に一番好きだった大賞を発表します。
財政難につきプレゼントはご用意しておりません。
誰も興味ないことは重々承知しておりますが，暇人が時間を無駄にしているなぁと冷たい目で，お読みいただけるのなら本望です。
それではご覧ください。
大嫌いな君のために、今日は野菜を洗わない。|大塚 ぐみ さん
私は，雨の日も風の日も健やかなる時も病める時も，野菜を洗いません。
何故なら面倒臭いから笑
いや生野菜をサラダで出す時は洗いますよ？
でも根菜は皮剥くし，もやしも袋に守られてるし，キャベツも切ってる途中に何か付いてたら取り除けばOK。
加熱すれば余裕っしょ！
当てつけで洗わないことは一切なく，デフォルトで省略しています。
怒られそうだけど笑
昔，ラグビー選手のリーチ マイケルさんが川で汲んだ透明度ゼロの溜め水を美味そうに飲んで，これで胃を鍛えているんですなどと，真顔で常軌を逸した発言をしていたが，同じようなものかもしれない。
食品ロスの怨霊に取り憑かれているから，床に落ちた野菜もフライパンに入れちゃうもんね（白目）。
だから，筆者さんは菩薩のような慈悲深きお人だと思う。
海より深く広いお優しい心の持ち主だ。
そもそも喧嘩している相手に飯など用意する筋合いもない。
入れる生活費の多寡を家事分担の軽重に考慮することについて私は合理的だと思う人間なので，仮に筆者さんが当時家事全般を担っていたのだとしたら，喧嘩中と言えど炊事は避けられない状況だったのかもしれない。
いや，それでも作らなくて良いのでは？笑
外野がとやかく言うことでもなく，ご本人も作中で書かれている下記の通りなんですけどね。
夫婦の形は、夫婦の数だけあるのだなぁと、しみじみ実感する。
同じ方向を見て同じ道を旅するもの同士，歩み寄るとか寄り添う精神が不可欠です。
私のリーチ マイケル精神は是正の余地があるやもしれません。
二年ほど、料理の仕事をしていたことがある。
恵比寿の小さな古民家で、知っている人でなければ決してたどりつけないような、不思議な路地裏にある料理屋だった。
料理の経験もスキルもほぼなかった私に、料理長はたくさんの手ほどきとアドバイスをしてくれた。
すべてのロジックが、食材と食べる人を想って組み立てられている。
料理って、すごい。めちゃくちゃ、愛情じゃん——
彼女の在り方に私は心底感動し、惚れこんだ。
週6日勤務、昼の13時から深夜まで。
残業時間は恐ろしいことになっていたけれど、料理長の横で、食材を慈しみ大切に扱う姿勢に触れ続けた私は、そのエッセンスを多少なりとも身につけたように思う。
ところで、夫とまだ戸籍上は他人だった頃、初めてのけんかをした。一緒に住むようになって、数ヶ月経った頃だろうか。原因は覚えていない。
けんかと呼べるかもわからない。私がただ一方的に、ムシャクシャと腹を立てた。
対話を求めようとも、のれんに腕押し。彼には「他者と対話をし、程よいところに着地させる」というコミュニケーション文化が皆無だった。
どうしようもなく感情を昂らせながら、キッチンに立つ。
冷蔵庫から出したばかりの野菜を目の前にして、私はどうにかしてそのモヤモヤを消し去ろうとしていた。
あぁ、雑に料理をしたい。
この野菜をぐっちゃぐちゃにして、適当にフライパンに突っ込みたい。
ドンっ！ と強くテーブルに叩きつけたら、フライパンから食材が落ちるだろうか。落ちたものまで、残さず食べるがいい。当然の報いである。
しかしそれはできなかった。
初めてのけんかだからか、感情を怒りに振り切れない。ムシャクシャしているけれど、彼のことがとても好きなことには変わりないのだ。
料理長との濃密な二年を経た私は、食材と食べ手をないがしろにする料理に抵抗を覚えるようになっていた。
さらに、料理屋のあと野菜を扱う仕事に就き、私の食材に対する愛情とリスペクトはより強固なものになっていたのである。
雑の矛先を、どこにも向けられない。この子たちが悲しむようなことを、こちらの都合でしてしまうことは、とてもできない。
どうしよう……。
……野菜を洗わないで、出してやろうか。
そして続いては，
2024総集編（第1回〜第10回）
これまでこの感想文で紹介した記事とクリエイターさんをマガジン追加順に列挙しました。
第1回
#第三子の名前を5秒で決めた話 。 |大塚ぐみ さん
#俺リレーの選手だったからの有効期限はいつまでか問題 。 |大塚ぐみ さん
#妖怪クーリッシュ啜り濡れ女 |海 さん
第2回
#秋晴れにKhruangbinがバッチグー ｜日記 |トウ さん
#たかがパンツ 。 |大塚ぐみ さん
#物に溢れた世界に物を生み出すこと | アンナ ‖ RINMO さん
第3回
#月曜日というサイコパスデー |たなかの雑感 さん
#気が利くって引き算なのかもね |とある日のユカさん さん
#誰が為のフルオート便座か ？論 |大塚ぐみ さん
第4回
#時計の電池交換に行った話 |らら さん
#きくらげのオノマトペって ？ |海 さん
#ルッキズム |ひとりでもぷりきゅあ さん
第5回
#傘をさすか否か ｜日記 |トウ さん
#6歳長男にカノジョができた話 。 |大塚 ぐみ さん
#何もしなかった日 #3行日記 |フジムラ さん
第6回
#フェチについて |志田 レナ さん
#名前について |志田 レナ さん
#ハンドクリームと息子 |yuu♪ さん
第7回
#ズボンのことをズボンと呼ぶことにした 。 |あお さん
#謎の中年アジア人ファッション迷走記おしゃれの神はどこにいる ？ | 食指が動く｜気になる個体 さん
#GAKUDAIPARKSTREETSTORIESvol3古本遊戯流浪堂 |みんなでつくる学大高架下 さん
第8回
#note初心者ワイ昨日とつぜんフォロワー増たけど 、、、、、、、、、、、、、、、、（アドバイス求） |SLIMO さん
第9回
#今年も胃腸炎の季節がやってきた |ちよ|日々を書き留めるnote さん
#むすめに食事風景を見せたら ... |りぃ@育休中 さん
#もう食べられないと言いつつデザートはしっかり食べた 。 |富永 晶子 さん
第10回
#大嫌いな君のために今日は野菜を洗わない 。 |大塚 ぐみ さん
如何でしょうか。
タイトルで既に面白い作品が沢山あると思いませんか？
私自身も基本的にジャケ買いすることが多いですが，中身も楽しい作品ばかりですので，気になるものがあれば，ぜひお目通しください。
一番好きだった大賞2024
さぁ，魅力的な作品の中から私が選んだ一番好きだった大賞は……
第6回の紹介記事から，
『名前について |志田 レナ さん』
です。
理由を述べますと，文章が自然体に感じられるのに笑えたという点。
全作品，再読したいと思いマガジン追加したものなので，どれも面白いのですが，面白いにも色々あります。
興味深いもの，新たな発見があるもの，参考になるもの，楽しくなるもの。
でもやっぱり，分かり易く笑える作品にしようと思い選びました。
単に笑えるものなら他の作品も同じなんですが，そこはかとない飾らない感じが素敵ポイントでした。
エッセイとか日記って人目に触れる場所へ掲載すると話を盛っちゃうこと多いと思います。
嘘はついてないんだけど，書いている途中で思いついたネタを足しちゃうと言うか。
本当にその時の状況や心情をありのまま詳らかにしても味気なく感じてしまうと言うか。
私もどーにかこーにかしてアニメネタにこじつけたりしてしまいます。
己が面白いと思って書いているから，それはそれで何の問題もないんですが，第三者から見ると白けてしまう要素でもあるなぁと。
バランス感覚の難しさに気づかされました。
だからこそ，自然体かつ笑える文が散りばめられていた志田さんの作品に決めました。
最後にその一節をご紹介して，総集編を締め括ることといたします。
小説を書きはじめの頃、原稿をあんまり書かずに、赤ちゃんの画数診断のウェブページで何時間も何日も、語感の良い名前を入力していました。
適当にぱっと思い浮かんだ名前を入力しては、「この名前は総画が凶だから、あんま売れなさそう」とか「これは全部大吉だけど、なんか語感が悪いからやだな」とか、原稿を書きもせず、名前だけ気にしているアホみたいな日々を過ごしていました。
本マガジン『こもり旅』とそれに付随するnote感想文を始めるキッカケになったのは初回から二連投，そして複数回に渡り掲載している大塚 ぐみ さん。
コーンフレーク並みに栄養素の五角形（※牛乳の栄養素含む）が大きく，何か毎年大賞にしてしまいそうだったので，キッカケ云々抜きにしてフラットな心持ちで選んでみました。
という訳で，私目線ではありますが初回は牛乳でブーストしていない素朴な作品をチョイスした次第です。
来年も妻のおかげで私が確保できている，子守りと篭もりの時間が脅かされなければ，本マガジンの配信を続けていく所存ですので，お付き合いいただければ幸甚です。
毎週木曜PM8時前後という週刊ストーリーランドに準えた投稿日時を守ってきましたが，特段反応がなかったので不定期になるかもしれませんが笑
体調を崩しやすい時期ですが，皆さま何卒ご自愛ください。
以上，良いお年を。