腕時計を内側に。
2024/8/27(火) PM3:23記
8月22日木曜日,祖母の葬儀が執り行われた。
参列者はほぼ身内。
「仕事辞めるとこんなもんやねぇ。自分もそうなるやろか。」
母がボソッと呟いていた。
「じいじ補聴器忘れたんけ!ダッセェ!」
父が甥に煽られていた。
通夜もなく,火葬場でのお経も斎場であげることになっていたため,少し長め。
しかし,落ち着きのない甥の機嫌と私の膀胱は何とか爆発を免れた。
火葬場へ向かう前に,お花や写真などを柩に供えたり,肌に触れたりして別れを告げる。
顔の横に清洲桜醸造さんのパック酒『鬼ころし』が置かれていたので,万一地獄に行ったとしても大丈夫だろう笑
まぁそんな斎場の様子はさておき,今回書きたかったのは火葬場の職員さん。
その腕時計の着け方。
一般的に男性は,文字盤が手首の外側にくるよう嵌めることが多いが,逆だった。
女性のように内側に着けられていたのである。
私は内側に着ける理由をいくつか知っている。
・和服を纏う女性が脇を締めたまま,時間を確認するため
・船乗りや兵士などが文字盤を保護するため(ぶつけて壊す可能性が高いため)
・狙撃手,パイロットなどが光の反射を避けるため
こんなところでしょうか。
まぁ時代や職業に左右される内容で,現代社会では当て嵌まらないものがあり,私の朧げでソースも不確かな情報ですので,信憑性に欠けますが。
火葬場の職員さんは男性で,副業でパイロットやスナイパーをされている訳ではないでしょう。
仮にそうだとしても,その時だけ内側に向ければ良いはずです。
では何故,内側に着けているのか?
これは仮説の域を出ませんが,所作が美しくなるからだと推測します。
"時計を見る"
という所作。
外側に着けるとどうしてもモーションが大きくなり,動作的には無駄が多い。
時間を気にしていること悟られ,人によっては急いでいるのかもしれないと勘ぐる。
一方,内側であれば最小限の動作で時間を確認できる上に,他の動作のついでにチラッと見ることも簡単である。
結果,所作が美しくなる。
美しくなるというか時計をしていない時とさほど変わらない所作になる。
そう思うと厳正であること,或いは一定以上の水準を求められるサービス業の方は,このような着け方をするのが常識なのかもしれない。
高級レストランのウェイターさんとか。
ただの推測なので,全然違う理由かもしれませんが笑
確かめようもないので仮説が正しいと信じて,このまま職員さんの素敵な心遣いに酔いしれたままでいようと思います。
でも,何の時計か見たかったな。
以上,祖母があの世では時間に縛られることなく暮らせますように。鬼ころしを飲みながら。