最も長い縁となる異性と出会った話。大学1年、恋愛編
看護の勉強も、そこそこはしていましたが、お金がもらえて、闇っぽい中居のバイトにハマって行きました。
夜遅く、朝早いので
授業はほとんど寝て過ごしていました。
ホッタちゃんなんて、授業も来ないし、孤独でした。
コスモスが咲き乱れて、綺麗だな、数本持って帰って飾る生活をしていた頃、忘れもしない9月後半に、
中居の仕事で、宴会場の片付けをしていたら、古くからいそうな年寄りの番頭さんが、私に「預かっているものがある」と、ニヤリと笑って封筒を渡してくれました。
手紙のようでした。
番頭さん「いつも一緒に夕飯食べてるまぁさんてわかる?」
私「わかりません」仕事に夢中の私は、周りを観察する余裕がありませんでした。
番頭さん「一目惚れしたらしいよ」と言って、
なんか、古い恋の歌?みたいなのを歌いながら片付け始めました。
カーッと顔が赤くなるのがわかりました。
誰だろう。
手紙の内容は、告白というよりお誘いでした。
10月3日のお祭りにバイト休んで行きませんか?寮で待ってます。というものでした。
どうやら、この旅館の社員寮に入っている方らしい。
番頭さんに「あの人やで」と、教えてくれたその人は
大学にはいなさそうな垢抜けた、綺麗な髪の色をした、アイドルみたいな男性でした。
なぜこんな人が私に?
恐れ多いと思いましたが、一瞬で全身が反応してしまいました。
恋に堕ちるのは一瞬です。
その日から、まあさんと呼ばれる人の事を考えて過ごすようになりました。
来る10月3日、可能な限りのおしゃれをして、
旅館の社員寮に行きました。閑散とした寮でした。昔は携帯などなかったので
呼び出すと、出てきました。
まぁさんと初めて向き合ったのですが、向こうが照れすぎてまともに見てくれなくて、
その様子に凄く戸惑ってしまって、嬉しいような、なんとも言えない気持ちになりました。
こんな綺麗な顔の人、見たことがない。
それが私の感想でした。
目はアーモンドのようにくっきりとした二重で、顔の形も美しく、申し分ない。
髪質も、髪の色も髪型も、全て素晴らしく、感動の一言。
お祭りは火祭りで、炭を顔に塗られまくるというファンキーなもので、
いろんな人が炭をつけようと私たちを追っかけ回してくるので、2人でキャッキャ逃げ回って、せっかくのオシャレが、顔も髪も、お互いに真っ黒になりました。
緊張が解けて、お話ができました。
まぁさんは24歳でした。
「24歳でこんな事(番頭のバイト)してて恥ずかしいんやけど、これからは実家(関西)に帰って違う事をしようと思ってて、実は来月辞めるんだ」
急に失望しました。
え。
なんで誘ってその気にさせたの?もう会えないの?一気に、なーんだ、と言う気持ちになりました。
堪えていると
「好きになってしまったんだ、ちゃんと会いに来るから付き合ってほしい。」と言われました。
来月帰る彼の実家は、ここから5時間くらいかかる関西地方。
会いにきてくれると言うなら。と。承諾しましたが、あまり期待しないようにしました。
まぁさんはなぜか自分のことを「A君」と呼んでほしいと言うので、
ずっとA君でした。
本当に不思議なご縁で、いきなり遠距離スタートなのに、接点もないのに、何があっても、切れることのない、ご縁になりました。現に今も。
しかし、それは良い意味では決してなく、波乱に富んだ出会いでした。