読書ログ:コーポレートガバナンスの教科書

4本目の読書ログ。

「コーポレートガバナンス」に関する本でした。もうね、読む前からなんの本か全然わからなかったです。なので、今回は本当にログ的に、出てきた言葉を羅列していきます。


コーポレートガバナンスとは

この本のタイトルにもなっている、コーポレートガバナンスとは「企業統治」などと訳されるが、本書に書いてある定義は下記の通り。

・企業をめぐる関係者が企業の舵取りをどうするかを考えること
・舵取りを任されている「経営者」と、その他の関係者である「株主」「債権者」「顧客」「取引先」「従業員」「国・地域社会」との関係性の問題

近年にコーポレートガバナンスという言葉をよく聞くようになったのは、アベノミクスの「日本再興戦略」で言及されているからである。

「日本再興戦略 改訂2014ー未来への挑戦ー」
日本企業の「稼ぐ力」、すなわち中長期的な収益性・生産性を高め、その果実を広く国民(家計)に均てんさせるには何が必要か。まずは、コーポレートガバナンスの強化により、経営者のマインドを変革し、グローバル水準のROEの達成等を一つの目安に、グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みを強化していくことが重要である。

アベノミクスで注力されるようになった背景としては、リーマンショックにより、世界の投資家全体が元気をなくしてしまい、ガバナンスの悪い日本の株式市場には誰も投資してくれないということがある。

「去っていったお金持ちの海外投資家さんたち、ぜひもどってきてください!今やわれわれもモノのわかった立場になりましたよ」という海外投資家へのラブコールを送っているらしい…

重要な制度変更

日本再興戦略でコーポレートガバナンスが注力すべき事柄として挙げられてからおこった制度変更のうち、大きな変更点は下記の3つ。

1.会社法の改正
2.スチュワードシップ・コードの制定
3.コーポレートガバナンス・コードの制定

投資家の責任を定める「スチュワードシップ・コード」

機関投資家の責任として
「金主からおカネを預かって運用する以上は、規律正しくきちんとやって、その中身もわかるようにしておきなさいよ」
「運用の対象についても、目先の利益にごまかされないできちんと相手の話を聞いて中長期的な企業価値が上がるのかどうかしっかり見極めなさいよ」
ということを求めている。

本丸である「コーポレートガバナンス・コード」

コーポレートガバナンス・コードは、コーポレートガバナンスの主要な関係者であり、規律づけを受ける側である経営者についての規定を行っている。

1.株主の権利・平等性の確保
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
3.適切な情報開示と透明性の確保
4.取締役会等の責務
5.株主との対話

<詳細は下記参照>
コーポレートガバナンス・コード | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI) http://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/ka/corporate_gov

スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードはどちらも双子のような関係とのこと。また、「法律」ではなく「コード」として行動規範を示したものになっている。法的拘束力のない規範として設定されているが「コンプライ・オア・エクスプレイン」であり「遵守するか、さもなくば説明せよ」と守らない場合にその理由をしっかり説明することが求められている。


まとめ

コーポレートガバナンスを考える上で最も重要なのは、「経営者を切り続けることができるか」である。

また、コーポレートガバナンスを考える上で問題なのは「経営者」であって、「企業」ではない。「経営者」にモノを言い、規律づけることができるのは、企業の構成員である「株主」(およびこれらをつなぐ役割としての取締役会)だけである。したがって、企業と株主が第一義的なコーポレートガバナンスの関係者となる。

この本を読んで、恥ずかしながらアベノミクスについてやっと理解が深まりました!

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