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四字熟語で学ぶ―6○四字熟語の書○四字熟語を考える

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2022年5月の記事一覧

「渴驥奔泉」を考える

かっきほんせん
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勢いが激しいたとえ。また、書の筆勢がきわめて力強くすばらしいたとえ。
喉の渇いた名馬が泉に向かって疾走する意から。
「驥」は一日に千里を走るという名馬のこと。
「奔」は勢いよく走る意。
「渇(かっ)驥(き)泉(いずみ)に奔(はし)る」と訓読する。
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「渇」 ①水がきれてなくなる。かれる。かわく。
    

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「跖狗吠堯」を考える

せきくはいぎょう
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人はそれぞれ、自分の主人が善であるか悪であるかをかえりみず、尽くそうとするものであるということ。
「跖」は中国春秋時代の大盗賊の盗跖のこと。
「狗」は犬の意。「堯」は古代の理想的な聖天子といわれた堯帝のこと。盗跖に飼われている犬が堯帝に吠えかかるという意から。
一般に、「跖(せき)の狗(いぬ)堯(ぎょう)に吠(ほ)ゆ」と訓読して用いる。

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「夏虫疑氷」を考える

かちゅうぎひょう
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見聞が狭いこと。見聞の狭い人が広い世界を理解せず、自分の知らないことを信じようとしないこと。
冬を知らない夏の虫は、冬に氷というものがあるのを信じない意から。
見識や見聞が狭い人を卑(いや)しめていう語。
一般に「夏虫は(かちゅう)氷(こおり)を疑(うたが)う」と訓読してもちいる。
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「夏」 四季の一つ。な

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「越鳧楚乙」を考える

えつふそいつ
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場所や人が違えば、同じものでも呼び名が違うことのたとえ。
「越」と「楚」は古代中国の国の名前。
「鳧」は鴨(かも)のこと。「乙」は燕(つばめ)のこと。
空高く飛んでいる鴻(おおとり)を見て、越の国の人は鴨であると言い、楚の国の人は燕であると言ったという故事から。
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「越」 ①物の上を一方から他方に移りわたる

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