心理学から学ぶ “いじめ”

※今回の内容で気分を害される方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。

数日前からニュースやネットで話題になっている“旭川いじめ”事件

北海道旭川に住む女子中学生が自慰行為を強要され、その上画像を拡散されるという集団いじめの被害に遭ったという事件です。

悲惨ないじめが続くなか「ママ、死にたい…」と言って家を飛び出し、その後氷点下の旭川で“凍死”した状態で見つかったそうです。

これまでに何度もいじめを訴えていましたが、学校側からまともに取り合ってもらえず

校長「イジメはなかった。彼女の中には以前から死にたいって気持ちがあったんだと思います」

教頭「加害者にも未来がある。学校は責任は負えない」

加害者生徒「(被害者がなくなったことに対し)正直何も思ってない」


…こんなのに囲まれて耐えられる人いますか?

いじめだけでも死ぬほど辛いのに中学生という多感な時期にこんな仕打ちを受けて…どれだけ辛かったことでしょうか

加害者グループは反省の色はないと報道されていました

加害者は10人もいて被害者はたった1人


加害者の罪の意識は10分の1なのに被害者の苦しさは10倍以上…考えただけでも耐えられません

少年犯罪による再犯率が異常に高いのは集団による“罪の意識の分散”に問題があるようです。

まさしく【赤信号 みんなで渡れば 怖くない】の状態になっているのです。

今回はなぜ“いじめ”が起きるのかその心理について話していきたいと思います。



■いじめとは…

 「ふざけていただけ」「冗談のつもりだった」「あいつが悪い」。

いじめている側は、自分が被害者ですという位に好き勝手言います。

言い訳ではなく、本当にそう思っていることもあります。そこに加害者だと言う意識はありません。

 それなのに、いじめらているほうは深刻な被害を受けます。
いじめの被害者は

学校に行きたくなくなった…

毎日が地獄だった…

死にたくなった…


と語ります。

不登校になる子もいれば神経症になってしまう子もいます。

 そして追い詰められた結果、いじめの被害者の方が我慢できずに過激な乱暴をはたらいてしまうこともあります。

 これにより【加害者の被害者面】に、より拍車がかかってしまいます。

場合によっては“本当に自分が被害者”として認識し、“お前が暴力ふるったんだろ”とさらなるいじめへと発展させていく場合もあります。。

■最近のいじめの傾向

 現代のいじめは昔のいじめとは少し違います。

現代のいじめというのは特定のいじめっ子(ジャイアン)が特定のいじめられっ子(のび太)を狙うのではありません。

 集団で、かつ長期にわたって、いじめ続けます。

悪口、無視、嫌味。その一つひとつは小さなことだとしても、子どもはクラスの中でいじめられると、世界中からいじめられていると感じてしまいます。

 いじめを止める人間がいないことも現代のいじめの特徴ですが、ではなぜ止める人がいないのでしょうか?


■現代のいじめの特徴

現代のいじめの特徴には“順番に回る”というものがあります。

どういうことかと言うと、例えばABCDEの5人組グループでAがいじめられていたとします。

ある日Bが「Aがかわいそうだからやめよう」と言います。

すると残りの3人が「B生意気だな Aもそう思うだろ?」とBにターゲットがうつります。

ここでAは辛いいじめで憔悴してしまっているので「そうだね…」とBを差し出してしまう形になってしまいます。
正義感の強い子がいじめのターゲットにされるのがこのパターンです。

しかし別にこのようなきっかけがなくても突如としてターゲットが変わることがあるのが現代のいじめです。

本当に恐ろしいことですが、“なんとなく”という理由でいじめをおこなっていることが非常に多いのです。信じられますか?“なんとなく”です。

先に話したAの場合「保身の為、現状から逃げたかった」というやむを得ない理由があります。

しかしこの“なんとなく”でおこなわれるいじめに特別な理由も罪の意識を持つこともありません。

これは加害者グループの人数が増えれば増える程、顕著で、罪の意識がグループの人数分薄まってしまうのです。


■いじめを受けても相談できない

 いじめの事実を親やまわりにに言えないことはよくあることです。しかしこれは仕返しを恐れているというだけではありません。

言葉に出してしまうことで“自分がいじめを受けるような弱い小さな人間だ”と認めてしまうような気がして、誰にも言えない…という心理に陥ることが原因です。

大人でもひどいパワハラを受けているのにだれにも相談できず我慢し続けうつを患ったり自殺を選んでしまうのがこのタイプです。

このタイプの人は基本的にとても真面目で人に迷惑を掛けたくないという責任感の強い人が多いです。

普通の環境にいれば友達としても仕事仲間としてもとても頼りになるタイプです。

 

■いじめの被害に遭ったら(親御さんの対応)

いじめ被害に遭った時の一番重要なことが“引き際”です。

親御さんは自分の子供がいじめられていたら教師や加害者の親・または加害者本人に訴えかけると思います。

しかし先の旭川の事件同様、みながすぐにしっかりとした対応をしてくれるわけではありません。むしろ【なにもなかった】ことにしようとしてくるのが常です。

これは本当に納得のできないはなしですが、これが真実です。

そんな時、当然親としては納得がいかず抗議を続けようとしますがまずは“被害に遭っている子供をその場から離す”ことを最優先させてください。

先に言ったように現代のいじめは罪悪感を持たず“なんとなく”おこなわれていることが非常に多いです。

親御さんが必死に訴えれば訴る程加害者達は「自分達はそんなつもりでしていないのにひどい…」と被害者意識を持ち始めます。

さらに学校側もいじめを認めればイメージダウンや世間からのバッシングを受けることになるのでどうにかして“なかったこと”にしようとします。

こんな状態で「いじめなんてお前の勘違いだ」「被害者面すんな」と責められたらもうお子さんは耐えられないでしょう。

悪いことをしたわけじゃないのになぜ自分達が…と納得できないかもしれません。それでもまずはお子さんをそこから逃がしてあげてください。

争うのはその後でもできます。取り返しのつかないことになる前に早めに対応してあげてください。


■さいごに

今回の内容はいじめを解決するわけでも回避できる方法を話せたわけでもありません。

ただ知っていてもらいたいのが世の中には“本当にどうしようもない奴がいる”ということです。

いわゆるサイコパスと呼ばれるような人達です。

このタイプはもはや心理学や行動を読むなどの常識が一切通用しません。

本当にカウンセリングが必要なのは被害者ではなく加害者なんです

まずは自分達の安全をしっかりと確保し、子供を守ってあげてください。



 いじめは絶対に許されることではありません。間違いなく“犯罪行為”です。

しかし【いじめ】とくくられることで犯罪ではなく子供のいたずらやいじわるの延長と捉えられてしまいがちです。

難しいことですが、いじめもパワハラも間違いなく犯罪行為であると教えていくことが大切だと思います。

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