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チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞を受賞した西クレオニセとは?

在日ブラジル学校のパイオニア、「エスコーラネクター」の創設者なんです。

そして、現在エスコーラ ネクター運営に携わっている私、山家ヤスエの母でもあるんです。

そもそも、チャンピオン・オブ・チェンジ日本大賞とは?

本賞は、アメリカ在住の日本人女性、厚子・東光・フィッシュ氏の提案により2017年に創設されました。フィッシュ氏は、日本人女性に対するリーダーシップ育成活動や、東日本大震災の被災地支援活動が評価され、2013年にオバマ元大統領の発案で始まった社会貢献活動に尽力している市民に贈る“チャンピオン・オブ・チェンジ”賞を受賞されました。その後、日本女性の活動に光を当て、女性のロールモデルを示すことに役立ちたいという思いから、パブリックリソース財団と協働して、本賞の創設したのです。なお、フィッシュ氏は、2018年の秋の叙勲において、日本人女性の社会進出に大きく寄与した功績を称えられ、旭日小綬章を受賞されました。

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そんなチャンピオンオブチェンジ賞(CCJA)と私は2020年に出会い、Japanese Women’s Leadership Initiative を立ち上げたフィッシュファミリー財団の創設者でもある厚子さんのご活動や素晴らしいビジョンに心から共鳴しました。「私たちの活動を分かってくれるのはきっとここだけだ!」と思い、ブラジル学校 エスコーラネクターを創設し、26年以上一人で背負ってきた、私の母でもある西クレオニセ校長(通称クレオ校長)を熱く推薦しました。

フィッシュファミリー財団が送るCCJA2020では

CCJA2020入賞者の皆様

CCJA2020の受賞者はこちらの素晴らしい女性たちでした。
・岡田 沙織 特定非営利活動法人 若者メンタルサポート協会(東京都)
・染矢 明日香 特定非営利活動法人 ピルコン(東京都)
・寺原 真希子 一般社団法人MarriageForAllJapan -結婚の自由をすべての人に(東京都)
・渡部 カンコロンゴ 清花 特定非営利活動法人WELgee(東京都)

マージャナライズ(marginalize = 社会や集団の中で重要でないあるいは無力な立場に追いやる)された人々になんとかつながる、貴重で希少な活動をされている皆さまです。CCJA(チャンピオンオブチェンジ)が「女性のちからで​誰もが安心して平等に暮らせる​豊かな社会をめざし、​勇気を持って行動を起こす​「草の根の女性リーダー」に贈られる賞」として、様々なマイノリティーや社会の隅に追いやられてしまう人たち、日本の社会制度では「存在しない」とされる人たちを支える素晴らしい活動をされている方々ばかりで、それぞれの活動紹介がされたとき、誰が大賞をとってもおかしくない、どれも「勇気ある社会革新」だと思わされました。
その中に、私たちの在日ブラジル人の教育活動であるブラジル学校 エスコーラ ネクターが入っているということに大きな感動を覚えと同時にこの国で暮らす移民として誇りに思えました。

そもそも、ブラジル学校(ブラジル人学校)とは?

ブラジル学校とは、日本国内でブラジル教育省が定めたカリキュラムに沿って、ポルトガル語で教科学習などをする学校です。2000年代にブラジル本国の教育省が外国にある教育機関として認可を受けた学校の総称として呼ばれはじめましたが、現在は認可を得ていない学校や学校法人によって運営される各種学校、そしてNPO法人や個人事業主によって運営されている学校もあり、多様な形態をとっているブラジル人の子どもが多く通う学校の総称となっています。

エスコーラネクターはどう始まったの?

アパートの一室で始めたポルトガル語教室

1990年代の入管法改正以降、多くの日系ブラジル人が日本の新たな労働力として日本へやってきました。次第に家族を呼びよせるようになった日系の外国人労働者と共に、日本には日系ブラジル人の子どもたち多く暮らすようになりました。しかし、日本ではこうした子どもたちを受けいれるような社会制度が全く整っていなかったのです。多くの子どもたちは学校に通っても、日本語が分からないまま放っておかれ、不就学となる子も多かったんです。そんな日系ブラジル人労働者の子弟、子どもたちの唯一の教育資源だったのがブラジル学校となる前のポルトガル語教室でした。エスコーラ ネクターもクレオ校長の自宅リビングで開いた小さなポルトガル語教室から生まれたブラジル学校です。

学校の歴史と自分の活動を振り返る入賞者紹介で感慨深くなるクレオ校長

こちらのプロジェクターの写真がまさに、ネクターが始まったばかりのころのものです。市営アパートの一室に机を並べられるだけ並べ、子どもたちに読み書きや、歴史、地理や算数、理科も教えるようになり、次第に「学校」という形をとるようになりました。

選考が進むにつれ、高まる期待感と驚き

推薦募集が終わり、164名の応募があったそうですが、そんな中、第二次書類選考に進めたのが20名。その中にクレオ校長が残ったという連絡を頂き、まず大きな安堵がありました。事務局の方々から頂いた連絡などを通して、「やっぱりここなら、分かってくれた~!」という共感を遠くから感じ取れました。そして、選考が進むにつれ、私が推薦したクレオ校長のプロフィール、活動紹介や写真などを送る必要があったので、母(クレオ校長)と今までの活動や想いなどを沢山掘り起こす機会となりました。そして、授賞式の一か月ほど前には第二次書類選考を通過した20名からさらに5名の入賞者が選ばれ、この時点で私たちはもう信じられないという高揚感でふわふわとしていました。そして、ついに授賞式当日を迎えて、クレオ校長とその活動ずっと支えてきたパートナー(私の父)と私で授賞式会場がある東京へと。

感動のチャンピオンオブチェンジ日本大賞受賞

授賞式当日、そわそわした様子のクレオ校長。ものすごく緊張している様子。話を聞くと、日本で、そして日本人に自分がしてきた教育活動が認められたり、支持されているという実感が全く湧かず、本当に自分が受け入れられるのだろうかという疑心というか、恐怖心があったようです。
しかし、会場に入ると温かい事務局やJWLIのスタッフの皆さんに迎え入れてもらい、やっと現実味を帯びてきたようだった。この安全で、リスペクトに溢れた空間に居られるだけでも、ありがたくて、笑顔が止まらないようでした。緊張しながらも入賞のスピーチをなんとか日本語で読み上げ、少しずつ緊張がほぐれてきた中、大賞受賞者の発表が行われ…

大賞受賞者発表時のクレオ校長のナイスリアクション

なんと、クレオ校長がCCJA2020日本大賞を受賞!
驚きのあまり、しばらく状況が読み込めていないクレオ校長に大賞受賞の通訳をしながら、「ほら、呼ばれたよ!ママだよ!」と何度も声をかけました笑

そして、やっと状況を理解し、席を立って、前に出ると「念のためね」と用意していた大賞受賞用のスピーチを読み上げ始めました。緊張と驚き、そして感動で声は震え、中々聞き取れない日本語でしたが、彼女の想いは会場いっぱいに伝わっていました。


初めて人前で日本語のスピーチに挑戦するクレオ校長

「とても嬉しいです。ありがとうございます。ここにいる女性たち、皆さんがとても大切な活動をしています。だから私が大賞をもらえるとは思いませんでした。とても驚いています。この大賞を、私のこの活動を信じてくれたみんなと一緒に受けとります。もっともっと多くの子どもが教育を受けることができるよう、この活動を広げていきたいです。そして、国籍に関わらず、たくさんの女性が自分の力を信じて、アクションできるように勇気づけていきたいと思います。」

母がチャレンジする日本語のスピーチを真剣に聞いています。

CCJAへの推薦を通して、そして授賞式に備えて、母(クレオ校長)にヒアリングを何度も重ねて、日本語のスピーチを用意した私はとにかく頑張れ!伝われ!という想いで見守るしかなく、懸命に涙を堪えしっかりと撮影を。笑

そして、慣れないスマホでこの劇的瞬間を記録する父
クレオ校長(母)を一番近くで何十年も応援してきた私と父で

私は間違っていなかったんだ。

チャンピオン・オブ・チェンジ賞は、勇気を持って行動を起こす​「草の根の女性リーダー」に送られる賞です。これが、本当にすごいんですよ。その意義は深すぎる。
社会構造的に、私たち女性が働くのも、自分の信念を曲げずに、譲らずに生きるということは何故か(笑)難しい。色々な角度から家庭で全力を尽くすことを勧められ、閉じ込められている。社会全体が未だにそれを美徳とし、家庭を飛び出して、何かをするにはいつもハードルがいくつもある。なので、女性がこうしてアクションを起こしている時点でかなり少数派となります。
そうすると、いつも、そして長年そんな逆風を浴びていると自信をなくして、「なにやってんだろう」と自分の信念や価値観を疑うことは多いです。
そんな「勇気あるアクティビスト」である女性たちに光を当てるこの賞は、多くの女性のエンパワメント、そして社会革新を押し上げていると私は感じています。実際に母は何度も「やっぱり私は間違っていなかったんだ、自分の信念を貫いてよかった。」とこの賞を振り返ります。


この賞に出会えて、そして母を推薦し、在日ブラジル人の活動に光を当てられたことを光栄に思います。

この活動に共感、共鳴してくれた皆様、力を貸してください。
ブラジル学校を存続させ、子どもたちの「自分でいられる学び場」を一緒に守りましょう。
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https://congrant.com/project/escolanectar1996/4955

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