見出し画像

【ネタバレ含】ラストマイル

2024/08/23

映画『ラストマイル』観てきました!

コロナ禍で時間が余りまくってた2020年。当時高校3年生だったわたしは、Amazonプライムで『アンナチュラル』にハマりそのまま『MIU404』も追いかけて視聴という具合に夢中になっていった。これらのドラマを手がけた監督と脚本家が再びタッグを組んで、そしてドラマと同じ世界線を描いた映画が出る、と聞いた時は本当にワクワクしたね〜!今日という日がめちゃくちゃ待ち遠しかった!

観た後も「おもろかった〜」を連呼してしまうくらい良い作品だった。忘れないうちにちゃんとした感想を残しておく。

舟渡エレナの違和感

最初から只者ではないオーラぷんぷんの主人公・舟渡エレナ。大手ショッピングサイトの正社員で、福岡から関東の倉庫に異動となり、センター長として迎えられるところから物語は始まる。
異動先の部下、梨本孔に対して「エレナって呼んで」「高校の時部活なんだった?」と上司らしからぬコミュニケーションを取る一方で、仕事に対しては異常に熱心な一面もあるな、という印象。
そして事件が起こり、ところどころに思わせぶりな描写が入る。「この人……なんかあるな」と序盤からしっかり注目せざるを得ない主人公だった。
例えば、事務所前の通路から階下の作業場を見下ろしながら脈絡もなく転落防止ネットについて言及したり、警察に対して徹底して非協力的な姿勢を取ったり。今考えると明るさと茶目っけの裏で何かを隠そうとしている、ほんのりとした怪しさを感じた。正直、序盤はそのギャップの意図がわからずこのまま観続けて話を理解できるんだろうか…と少し思ってしまった。笑
でも話が進んで少しずつ謎が解き明かされていって…ラストシーンを迎えてやっと彼女の存在意義を完全に理解できたと思う。
後々あのシーンは伏線だったのか!と気付くことが多く、どこも見逃せなかった。

「エッセンシャルワーカーの待遇」という社会問題

前二作に続き、今回にも現実問題に大きく通ずるものがある。「エッセンシャルワーカーの労働問題」だ。
現代社会において、人々の消費はインターネット上で行われることが増えてきた。わたしも先述の通りAmazonプライムを愛用していて、日用品の8〜9割はAmazon上で購入し、即日配達には非常に助けられている。
しかし即日配達の裏に労働者の苦労と格差が存在している。
まずは流通業界で最も重要な配送ドライバー。物語において彼らはショッピングサイト側から配送料を安くするよう半ば強要され、そのことが原因で配送ドライバーは荷物一つにつき単価たったの数百円という劣悪な労働条件で働いている。親子ドライバーの「こんな仕事しか教えてやれないでごめんな」「昔はもっと立派な仕事だった(そのうえ稼げた)」というやりとりには考えさせられるものがあった。
また、ショッピングサイトの倉庫を管理する現場の人間が抱える闇にも注目されていた。利益のために常に効率を重視している会社と、人間としての限界。前センター長は、過労による自殺未遂を起こしていた。主人公舟渡エレナも入社3年目で眠れなくなり、3ヶ月の休職期間を経て、いざ復帰というところでこの倉庫にやってきたとのことだった。
流通業界は今でも経済を支える重要な業界であるにも関わらず、我々は「ポチれば今日にでも届く」感覚に慣れすぎてしまった。このようになくてはならない仕事に従事する方々、エッセンシャルワーカーの存在を軽視しすぎていないか。そんな警鐘を鳴らす作品でもあったと強く感じた。

他作品との交錯

正直なところ、思っていたよりかは少ない。
それでもあの豪華なメンツが一つの作品に収まっている、というだけでファンとしてはもちろん嬉しい。
個人的にはUDIの存在意義をしっかりと示す形で作品に登場してくれて良かった。

------

ありきたりな感想ではあるけど、言語化する練習をしておきたいと思って記録しておく。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?