受験勉強の取り組み方で、社会人としての伸びしろがわかる
入塾したての、新高3の授業がありました。
高2までの文法の総ざらい中、ということで、
文法のプリントを宿題にしてありました。
「丸付けまでして、解説が必要な問題はマークしておいてね」
と言ってあったので、丸付けまでしてあります。
プリントを眺めると、ふと、ある問題に目がとまります。
He had ( no ) ( sooner ) arrived ( than ) he fell sick.
彼は到着するや否や体調を崩した。
・・・この問題はバツが付いていて、
答えが赤ペンで書き入れられています。
彼に聞いてみます。
「no sooner~ than・・・って、どういう意味かわかってる?」
彼は答えます。
「意味ですか?わかりません。」
・
・
・
分からない問題にぶち当たった時に、
どんな行動を取るかで、
伸びしろが分かる気がします。
勉強だけじゃなくて、社会人としての。
■まず最低限たどり着いて欲しいライン
未知の単語・熟語・表現などに出会った時は、
次に出会った時にサッと訳せるように、意味まで覚えて欲しい。
これは受験生が最低限たどり着くべきラインだと思います。
(彼は、解答を書き写しただけだったので、
このラインにもたどり着いていなかった。)
彼にとっては、宿題は「終わらせるもの」になってしまっていました。
つまり「作業」です。これは「勉強」とは言いません・・・。
物事に取り組む時、「作業」が当たり前の姿勢になると、
社会人になった時にどうなるでしょう?
メリット:
言われたことを愚直にこなしてくれます。
デメリット:
言われたこと以上のことが出来ません。
一定以上の評価を得ることが難しくなります。
こんな状態に陥ります。
上司:「ちょっとトイレに行ってくる。荷物見てて?」
部下:「わかりました」
トイレから帰ってきたら荷物が無い。
上司:「俺の荷物どこ?」
部下:「知らない人が持っていきましたけど?」
上司:「えっ、何してたの?」
部下:「見ててと言われたので、見ていました」
上司:「えっ」
部下:「えっ」
こういうレベル。
(冗談じゃなく社会に出るとこういう人多くないですか?)
彼は作業員レベルではありますが、
作業には意味を調べる、覚えるという工程が含まれていませんでした。
今回は自分の「指示ミス」ということになります。
「分からない単語・熟語・表現は意味まで調べて、
出来れば覚えた状態で塾に持ってくるんだよ。」
という指示をすべきだった、ということになります。
■ここまで出来たら素晴らしい
no sooner~ than・・・が「~するや否や・・・」と訳せる上で、
何でそうなるのか?という成り立ちに興味が持てる人。
こうなると勉強の伸びがすさまじいです。
社会人としても素晴らしいです。
ちなみにsoonerとは「すぐに」(時間的な早さ)なので、noを消してみると、
He had sooner arrived than he fell sick.
「彼は病気になるより前に到着した」という訳になります。
比較の言葉の前には、差を表す言葉が入れられます。
(three centimeters tallerのように。)
ここにnoを入れ、
・彼が到着した
・彼が病気になった
この時間の差がゼロということを表しつつ
文章を否定(時系列を逆転)してくれています。
だから、到着して速攻で病気になったという訳し方になります。
こういう風に、一人でも考えが深められる人は、
社会に出ても、1つの事象を見て疑問を持ち、深く考え、行動できます。
これを何というか?
というと、
これを「仕事」といいますね。
メリットでいうと、仕事に主体性を持って臨めるので、
スピードの差はあれ、評価される人財になると思います。
デメリットは、新入社員に作業を求める旧来的な日本企業には、
社風が合わなくて評価されにくいこと、でしょうか。
■まとめ
もちろん、誰しもが作業員レベル、
もしくは言われたことすら出来ないレベルからスタートしますが、
最終的には作業を仕事(勉強)に昇華していくのが理想だと思っています。
※上位私大や国立二次の問題を眺めると、
「作業」レベルの勉強を何千時間やっても到達できない問題が多く含まれています。
冒頭の彼は、新高3。
これまでの人生、
誰からもそんなフィードバックを受けることなく生きてきてしまいました。
というか、それで通用してきてしまいました。
彼が現状のレベルを脱却する一番の近道は、
高いレベルの志望校を目指す勉強の中で、
自分の頭の使い方をアップデートすることですね。
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