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小1ASDとASD/ADHD夫@2人で留守番の課題③

「息子は、父さんがやってこなかった宿題をやれって言われるところが引っかかってんねんな」

「うん」

「たしかに父さんは宿題やってこなかったって言ってたね。やらなくていいって。それは事実だ」

OJTで大切なのは
①事実の確認
2人ともここは納得した様子

「宿題なんかやらなくていいって言ったのに今更やれと言われたらモヤモヤするね」

②意識の確認
他者目線の弱い父さんにも伝わるように言語化

「モヤモヤする気持ちを置いて、やりたくないことを押し付けられたら、心が潰れそうになるね。泣いて反発する気持ちも分かる」

気持ちを言語化し続けると、息子の表情が和らいだ。

「父さん、特性のある子と関わるときは特に傾聴が大切なのよ」

我が家は診断についてはオープンにしている。

「傾聴した!言うことをオウム返しもした!でも息子は反発して言葉を遮ってきた!」

「相手の思考に自分の頭のチャンネルを合わせて話を聞くことを傾聴と言います。形式的なオウム返しの中に、わずかにでも『でも、だって』という主観が混ざれば失敗する。傾聴したではなく、傾聴した『つもり』だから、今トラブルという結果を招いている」

「う、うー…」

「父さんに難しいことを言っているのは十分理解しています。私ら専門職の人間でもチャンネルを合わせるのは難しい。そこの精神科の院長先生も、傾聴が不十分でトラブルになる同業者が多いって嘆いてはったわ。プロでもできないことを、他者目線の弱い父さんが簡単にできるとは思えない」

「…」

「父さんが劣っていると言いたいんじゃないよ。できないことをやれと押し付けるつもりはないと言いたいの。父さんに伝えたいのは、『俺は間違ってない』理論から抜け出さないと問題は解決できないということ。ボタンのかけ違いをしているかもしれない、今の自分は傾聴が不十分かもしれない、という気持ちになること。父さんの意識が変わると状況は大きく変化する。これはマジやから、騙されたと思ってやってみて」

「うーん…」

「で、次は息子。そもそもの話をしていいかな?」

「…うん」

「学級閉鎖中の宿題は、息子と誰と約束なん?」

チラッと先生から配布されたプリントを見せる。

「先生」

「せやな。宿題するかせぇへんかの根本は、実は父さん関係ないねん。提出できなくて困るのは息子で父さんは困らんからさ」

「…うん」

「父さんかて言いたくないよ。なんで自分にメリットないのにブチギレられながら言わなあかん?ほっといた方がラクやん?父さん困れへんのやし」

「うん…たしかに」

「宿題はやらなあかん。小さい頃から宿題をやってきた母さんはそう思ってる。今から母さん仕事に行くから、戻ったときまでに今日の分を終わらせてほしい。先生と母さんと息子の約束で、父さんは関係ない」

「うん」

「父さんに黙ってと言うこともできる。魂が抜けがちで集中できない息子が、午後1人で宿題を頑張ろうと思うのは素晴らしいことだと思う。母さんは17時に宿題が終わっていればそれでいい。もし約束守れてないときは母さんバチバチに詰めるけど」

詰める姿は鬼滅の女無惨のようと家族から評判

「…ひとりでは……できない…かも」

「もし1人では難しいなら、父さんにお願いして、魂抜けがちなときに都度声をかけてもらうこともできるよ。どうしたい?息子が選択したらいい」

「お願いする。でも、強く言われるのは嫌だ!」

「オッケー。父さん、優しく…具体的には声量を小さめで、トーン高めで声がけしてもらえますか?威圧されたと息子が判断したらアウトというルールでお願いしたいです。以前からのルールで『1回目だよ』『2回目だよ、聞こえないから3回目は少し声の大きさ上げるね』と数字で予告も継続です」

「分かった」

③目標の設定
大切なのは対象者が目標を決めたという事実。自分で決めたルールは守らないとという意識が高まるので、息子に決めてもらうことが大切。父さんは具体的な指示がないととんでもない解釈することがあるので、きっちりルールを明確に。

「あと困ってることは?」

「大丈夫」

午前と同様に父さんが「勉強しろ」という構図になってることに気づいてない息子。可愛いやつめ。

「じゃあ仕事もどります。父さん午後もよろしくお願いします」


午後はSOSがなく、帰宅後宿題は終わってました。

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