是枝監督初めての連続ドラマ「ゴーイングマイホーム」を久しぶりに見返した。
役者一人一人のセリフがズブズブと刺さり、応急処置としてシナリオ集を取り寄せた。
映画では尺の都合で描けない豊かで贅沢なシーンがたくさん記録されている。ただそのせいでストーリー全体が間延びし、視聴者の求心力が損なわれてしまったことは否めない。
その経験を活かし出来上がった傑作「そして父になる」ではドラマ同様のキラーワードを残しつつ、人物設定ストーリーが削ぎ落とされ誰もが引き込まれる作りになっている。
是枝監督自身初の連ドラを経て、映画の捉え方が長距離走から中距離走に変わり、映画でできることできないことが明確になったという。その余裕がその後の作品たちに結実している。
迷ったときは原点に立ち返る。
ゴーイングマイホーム。