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カセットテープコレクション~随時更新~ 

無限に聴けるサブスクの1000円にはすごく躊躇するのに、10曲ぐらいしか入ってないカセットテープの3000円には勢いよくお金を出してしまう。食べ放題に行ってみたものの結果そんなに食べられないのと同じで1ヶ月に聴ける音楽はそんなに多くはない。 去年からカセットテープを買い続けて気づけば100本を超えた。毎日のようにAmazonやメルカリを徘徊し夜中にヒソヒソポチポチしている。なんでこんなに嵌っているのかカセットテープの魅力について考えてみた。 まずは手のひらに収まる長方形の

    • 日10ドラマ マイダイアリー

      なんだかんだ秋ドラマで一番楽しみにしている作品。 若手俳優と新人脚本家が紡ぐ大学生の青春群像劇が実に瑞々しい。良い役者と良い脚本をカメラが見逃さなければ素晴らしいものが必ず映る。 そしてポップコーン、絆創膏、あくびと毎話モチーフの使い方が絶妙だ。脚本家の兵藤るりは過去に坂元裕二の仕事に関わっていたことも納得。 新人作家はお金がなくても人物と日常を丁寧に描ければそれだけで十分。これから一歩一歩着実に信頼を得ていくことを期待している。

      • 山中瑶子 ナミビアの砂漠

        人気急上昇中の女優河合優実。ドラマ不適切にもほどがあるでも抜群の存在感を放っていたが、この映画はさらにその先のレベルに到達していた。樹木希林や安藤サクラにも感じた演技を超えた生々しさで、これから歳を重ねてどういう役者になっていくのか楽しみでもあり恐ろしくもある。 そして彼女のぶっ飛んだ一挙手一投足をよりフォーカスするために4:3のスタンダードサイズで生活を切り取る。役所広司のパーフェクトデイズ以降16:9サイズの広がりある画面から敢えて離れ情報を削ぎ落とす作品が増えてきてい

        • 山田尚子 きみの色

          配信が当たり前になりチケット代も高くなり映画を映画館で観る行為がだんだんと減ってしまった2024年。話題作ではなく監督作で映画を選ぶ自分にとって山田尚子の新作は一筋の希望だった。 バンドメンバー3人それぞれが抱える若者特有のモヤモヤを2時間通して繊細に描き、クライマックスの文化祭で全てを浄化させる。序盤からバンドの曲を小出しに少しずつ積み上げて最後のライブでフルで披露する演出は曲が何百倍もよく聴こえるし胸が熱くなる。 この作品を時間が経って配信で観るのではなく、今この瞬間

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        カセットテープコレクション~随時更新~ 

          星野源 so sad so happy 真夜中

          VIVA LA ROCKでフェス仕様の星野源を観たからロッキンとサマソニは今回はパスしていたけれど、去年も開催したso sad so happyが真夜中バージョンになってヘッドライナーはロバートグラスパーなんてそりゃ行くに決まってる。 ニルヴァーナもビョークもローリンヒルも吞み込んだ最上級のブラックミクスチャーミュージック。手練れのリズム隊を観れただけでもチケット代の元は取れました。そしてオードリーの東京ドームも今回のロバートグラスパーもサプライズPOP VIRUSは半端な

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          劇団アンパサンド 歩かなくても棒にあたる

          こまばアゴラ劇場がなくなって演劇に行く回数が激減。自分の中で演劇の存在価値がだんだんと薄れてきた中でこの劇団の公演は一筋の希望だった。 毎回繰り広げられる不条理な死のラストを今回も楽しみにしていたが良い意味で裏切られた。今回は一度死んだ人間が生き返り再び死んで周りは助かるという新境地。 ゴミ捨て場で回収車が来たのか来てないのか、ゴミを捨てるのか捨てないかの話がどんどん加速して可笑しな展開へ。作演出の安藤奎は日常とちゃんと向き合ってそこからぶっ壊していくのが好きなんだな。

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          濱口竜介 悪は存在しない

          濱口竜介のファンとして映画公開からすぐに鑑賞はしていたが今まで感想を寝かしていた。この作品を語るために十分な時間が必要だったかもしれない。 石橋英子のライブパフォーマンス用の映像として始まった作品であれよあれよと偉大な賞を獲得する濱口監督の手腕。こんなこと狙ってできるものではないし改めてクリエイティブは生き物で未知の可能性を秘めている。 冒頭の木々の不穏な映像と音楽が途中でぶつ切りになり雪の上を歩く足音やチェンソーの音がより鮮明に響き渡る。ハッピーアワーのような会話劇に魅

          濱口竜介 悪は存在しない

          結婚できない男

          春ドラマが次々と終わり夏ドラマ前の空白期間。毎日1時間の楽しみを途絶えさせないために久しぶりにこのドラマを再生した。 2006年夏に放送されたシーズン1。18年経った今でもナンバー1。阿部寛と夏川結衣をはじめ登場人物全員がその役を誠実に生きていて観る度に新しい発見がある。ちょい役の尾美としのりがいるかいないかで作品の豊かさが変わることにしみじみ気づいた2024年。 一話完結のストーリーの中で偏屈で人間嫌いだった建築家の桑野が周りの女性や犬に振り回されながらも成長していく人

          結婚できない男

          木村拓哉 YouTube

          最近よく観るYouTubeはキムタク。カッコいいと何億回も言われた男はどんな場面でも自分の正義を貫く。そんなヒーローの一挙手一投足を間近で観られるのはお得感が半端ないって。 その中でもキムタクとメシの組み合わせは最強だ。ガストの回と納豆アレンジの回と森山直太朗とお蕎麦屋さんに行く回が特に好き。美味そうに食べるというか本気で対象に立ち向かっている姿に毎回釘付けになる。 SMAPの解散だって正義と正義のぶつかり合いの結果。再結成は今のところ難しいかもしれないがあの時代を共に過

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          アンメット ある脳外科医の日記

          今クールはたくさんドラマを見ている。その中でも一番好きな作品はアンメット。 SNSの考察を盛り上げるためVIVANT以降どのドラマも過剰なほど伏線を張り巡らす。このドラマももちろん伏線はあるが、主演の杉咲花と若葉竜也をはじめとする役者陣の佇まいが群を抜いて素晴らしい。物語を超えて毎週彼らに会いたくなれば人間ドラマの勝利だ。 そして気づけばバクバク美味しそうにご飯を食べている杉咲花と細長いグミを無機質に食べる若葉竜也。映画海街diaryでは死を扱う時間が多く占めるため食のシ

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          青年団 銀河鉄道の夜

          こまばアゴラ劇場サヨナラ公演第二弾。宮沢賢治の代表作を平田オリザがフランスの子供たちに観てもらうために1時間に収め配役も少数で挑んだ作品。 学生時代はほとんど本を読むことはなく宮沢賢治も完全にスルー。この歳になってようやく出会うことができた。 人間は生まれた時から1人でばらばらだけど宇宙から地球を見れば一つの点に過ぎない。世界中で繰り広げられる醜い争いがちっぽけだと気づかされる救いの言葉だった。 カンパネルラとの銀河鉄道の旅を経て本当の幸せとは何かを考えるジョバンニ。そ

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          星野源のオールナイトニッポン in 深夜のファミリーレストラン

          なんとも素敵な回だった。執筆やアルバムの構想など創作の入口として通っていたファミレスで愛を語るラジオ。星野源がはじめにオーダーした山盛りポテトというメニューを聞き一気に蘇る学生時代。 音楽を中心とした作品の話を気心知れた仲間とだらだら話す。ロックバンドの4枚目のアルバムは実験すべきだとか。深夜から朝方まで何時間もずっと。毎週当たり前に行われていたあの時間があったからこそ今の仕事でもアイデアがふつふつと湧いてくる。 緩やかな連帯を生み出していたファミレスとカラオケの思い出は

          星野源のオールナイトニッポン in 深夜のファミリーレストラン

          青年団 S高原から

          ここ数年こまばアゴラ劇場に通いお弟子さん達の舞台を何度も観てきたが、今回の閉館に向けたサヨナラ公演で遂に師匠平田オリザの舞台を体験できた。そんな個人的な感動とは裏腹に至極淡々とした内容で叩きのめされるとは。 まずは客がぞろぞろと席に座る開演前から舞台上に俳優がいることが新鮮で、演劇がいつもの日常と何も変わらないことを宣言しているようだった。 そして療養所のラウンジに集まる人々の何ものでもない会話。特に大きな事件が起きるわけではないが常に死を予感させる不穏さが最後まで続く。

          青年団 S高原から

          藤井風 tiny desk concerts JAPAN

          ヒップホップやR&Bのアーティストが肩の力を抜きながら披露する極上パフォーマンスを見てきたから、初の日本版として歌とピアノを極めたこの男の登場はとてもワクワクした。 日常と地続きの余白たっぷりの演奏。机に花を飾るようにモノクロの日常に彩りを与えてくれる音楽。そして今週リリースしたばかりの新曲をこの場で披露するプレゼント。また一つ名曲が誕生した。 本人は相変わらずの立ち振る舞いで景色がどんどん変わっていく。そうこうしているうちにコーチェラで平然と歌っている未来が当たり前にや

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          街裏ぴんくと村上春樹

          初めてR1グランプリを最初から最後まで観た気がする。そして街裏ぴんくの漫談と衝撃的な出会いを果たした。 寺内貫太郎のような見た目が一番のフェイク。とても聞きやすい語り口と声質がしっかり根を張りながら、話す内容はぶっ飛んだファンタジー。 乾いた文体でスイスイ読み進めていくうちに気付けば異世界に連れていかれる村上春樹のようだった。 夢はでっかく根は深く。地下で芸を極めればカラフルな娑婆が待っている。

          街裏ぴんくと村上春樹

          清原惟 すべての夜を思いだす

          偶然と想像や春原さんのうたでも眩しいくらい街の光を映したカメラマン飯岡幸子。彼女の生み出す日差しを浴びたくて地元からはるか遠い映画館に足を運んだ。 多摩ニュータウンの朝から夜までの何気ない1日。各世代の女性3人が直接的に交わることはないが、私たち観客と今はいないあの人の視点を経て重なり響き合う。 火を絶やさないために次々に灯される手持ち花火が示すように、たくさんの家族がこの街にやって来てそしていつか去っていく。1日の出来事の中に人と街の記憶すべてが詰まっていた。 風に揺

          清原惟 すべての夜を思いだす