―自分を救う心理学―(感想と体験)
タイトルと、1ページ目を開いた時点で滝のように涙が出る。元々涙もろいけど。
わたしが「わたし」を助けに行こう
―自分を救う心理学― https://amzn.asia/d/7C8v6oF
公認心理師の橋本翔太さん著。
YouTubeをやっておられるのですね、
この本で初めて知りました。
これから書くのは感想文で、体験記。
最近ずっと、この本で心の呪いを解く作業をしておりました。
1.自分と対話するための本
生きづらさを抱える人はとても多く、私も20代の頃、年単位で社会生活を離脱した時期がありました。それでも何とか大人になり、平穏な日々を送っています。
ただ最近は色々あり、好きになりかけていた自分自身を再び嫌いになり、とても苦しかったのです。
嫉妬や執着心と自己肯定感の低さ。
思考は堂々巡りで、常に抱える心の痛み。
そこに、この本。
購入してから何度も読み返しました。
休日にワークに取り組み、様々な感情と対話しました。心の本音に辿り着くと、徐々に自己統合が進み、悲しみが浄化されるようでした。
気づけば随分、気持ちが軽くなっています。
心理学と聞くと、相手の心を読むとか人間関係のテクニックを連想します。
スピリチュアルだと、例えば前世の因縁や周波数など、一見 自分の内面やルーツを辿るようでいて、自分の外側に理由や救いを求めている感覚です。
どれも根本的な解決にはならない。
気は紛れるけど、苦しさはぶり返す。
この本には、自分と向き合う方法が具体的に書かれています。
自身の悩ましい感情に「名前」をつけて、
その感情と対話していきます。この本では、その感情を「ナイトくん」と命名しています。
その「ナイトくん」に対して、質問や語りかけをする7段階のワーク。
これが秀逸で、辛い気持ちに蓋をするわけでも、無理矢理引き剥がすわけでもない。
ゆっくりと苦しさや悲しみを溶かし、受容していく。気持ちが変化し、腑に落ちるのです。
重要なのは、出てくる感情を 一切否定しないこと。だから安心して、感情を吐き出す事が出来るのでしょう。
そして随所に、著者である橋本翔太さんの
心理士としての優しさと責任感、苦しみの中にいる読者への配慮が感じられます。
心理学には詳しくないですが、普遍的で
少しずつ無理なく、精神の自立を促す内容になっていると思います。
2.わたしが「わたし」を受け入れるまで
この本を読みながら、毎回ノートに思った事を書き出すのですが、普段自分が絶対に口にしないような、意外な言葉が出てきたりします。
今まで抑えつけてきた感情、私自身がずっと掛けてもらいたいと思っていた言葉たち。
傷つくから恥ずかしいからと、飲み込んできた心の底からの声。
幼い頃から自分以外の誰かを優先し、気を遣って成長してきた結果、自分の中心はいつも
空虚なものでした。
それを取り戻すように、ワークに取り組んで1ヶ月。今、見事に自分優先の思考回路。
しかしこれまでの反動なのか、きれいごと抜きの、自分が今まで嫌悪していたタイプの方の思考回路になっているような。
何と言うか…なかなか酷い😂
ただそれも、以前のような自己否定に繋がるものでは無く、自分の心を再構築しているかのよう。泥臭く意地の悪い部分も、大切な自分の一部と考えるようになりました。
本来なら若者が大人になる時、成長過程で抱える葛藤。それを中年のおばさんである今、
追体験しています。
つまりは遅れてきた反抗期。
大人としては、ちょっとどうなんだろう。
(さすがに言動は自制しているけど)
ただ、そんな気持ちも やがて落ち着きます。
感情が整理・浄化され、自分に対して少しずつ余裕や優しさが戻ってきました。
この本に書かれた通り、いま私は過去の自分を助けに行き、手を取り合って戻って来ているところ。
全ての答えは自分の中にある。
家族や友人など、いくら大切な人であっても、その人達が自分の人生に正解を出してくれるわけではない。
誰かの価値観ではなく、自分自身で判断し、本来の自分が望むように生きていく。
人は生まれてから現在まで、様々な経験と多くの人からの影響を受け、自ら無意識に枷をかけています。
そんな中、葛藤しながらも自分をしっかり保ち、強く生きてこれた人や自己実現できた人。
とても素晴らしいし尊敬します。
けれども心の問題を抱え、つまづきながら立ち上がる人生にも、幸せと意味があります。
自分だけの、副作用の無い処方箋。
ひとつずつ枷を外し、心の呪いを解いていく。
この本は、心を正しい位置に戻すためのヒントに溢れた本でした。
私と同じように生きづらさを抱える人が、これを読んで少しでも楽になりますように。
自分には価値があること。
誰しも存在自体が、希望と愛情の塊であることを、どうか思い出せますように。