【エッセイ】 泳ぎ続ける
自分はマグロのような人間だと思う。隠語ではない。マグロは泳ぐのをやめると死んでしまう。そんな感じで自分という人間も、休んでしまうと心も体も死んでしまう。正確にいうと「休み方」の問題なのだが、とにかく止まってはいけないと常に意識するようにしている。
例えば何も予定のない日曜日。昼過ぎに起きて、そのまま夜までベッドでゴロゴロ…。そんな一日を過ごしたが最後、次の日から動くための活力は一向に湧かない。休日だからこそ、外に出て活動をするべきだ。友人と遊びに行く、一人で散歩する、エンターテイメントを見に行く。仕事や学業など「やらなければならないこと」から距離を置き、「やりたいこと」に目一杯焦点を当てられる日、それが休日。
「やりたいこと」と濃厚な時間を過ごすことで、次の日からの「やらなければならないこと」に「ふっ、また会ったな。しょうがないなあ、付き合ってやるよ。」とマウントを取ることができる。人に対してマウントを取り続ける人間はとてつもなく気持ち悪いが、自分で自分に対しマウントを取り続けることはとても気持ちが良い。
まあ、まだ学生だから気楽にこんなことを思えるのかもしれない。社会に出た時、考え方が変わるかもしれない。こんなことを考える余裕さえなくなるかもしれない。5年後の自分はいったい何の魚になっているのだろうか。