厳しい制約のもと、アルミの小箱を彩る
園児用のお弁当って難しい!
この春から週に2,3回、子どものお弁当を作るようになり、つくづく思う。
園児用のお弁当作りは特に、乗り越えなければならないハードルが高くて多いな、と。
①衛生面は、大人用も共通といえど、一層徹底する。
②安全上、刺さりやすい・詰まりやすい、噛み切りにくい・飲み込みにくいといった具材やお弁当グッズは、入れないか形状などを工夫する。
③食べやすく・こぼしにくくするため、大きさや形を考慮し、中身は詰め込みすぎず、且つひっくり返っても支障のない入れ方にする。
④お弁当が楽しくなるように、好きなおかずや食べたいと思える仕掛けを入れる。
⑤少しでもよいので、栄養バランスを意識する。
⑥食べる量が少ないため、限られた中身のなかで②〜⑤を実現させる。
⑦お弁当のない日より早起きするか、前日の夜にできる範囲で準備し、作って冷ます時間を確保する。
⑧ぐずりやお漏らし対応など、子どもの様子を見ながら作りつつ、親子の身支度も進める。
他にもありそうだが、思いつくだけでもこれぐらい出てくる。
実際に作ったお弁当たち
先般の記事でも書いたが、私はお弁当を作ることすらほとんど初めてだった。
まだ勤めていた頃に2,3度、前日の夕飯の残り物を詰めて持って行ったことがあったな〜という程度。
そんな人間が、子どもが安心・安全に、完食できるようなお弁当を作るなんて…。
しかし、その心配をよそに、子どもは今のところ毎回完食。
栄養バランスが取れているとは言い難いだろうし、バタバタしてつい朝から子どもを叱ってしまうこともある。
ただ、それ以外の上記項目は、どうやら達成できているらしい。
条件をクリアできたお弁当は、このような感じ。
ちなみに、子どもはおにぎりが好きなため、白ご飯もあるものの、具材を多めに混ぜていることが大半。
お弁当箱と中身の色
お弁当箱は、園からアルミ製を指定されている。
ゆえに、お弁当の背景色は、同じ園に通い続ける限り変わらない。
子どもはきっと、好きな絵や色のプラスチックのお弁当箱を持ちたいだろう。
たしかに単体で見ると、アルミ製の空のお弁当箱は殺風景だ。
ただ、おかずやご飯を詰めていくと、それらやおかずカップなどの色を選ばないし、それらがひきたつようにも見える。
それに、ご飯やおかずなどが入っていくことで、人工的な雰囲気だったところが温かみを帯びていくようにも感じる。
長年作ってもらってきたゆえに
いざ自分でお弁当を作るようになって、強く感じたこと。
お弁当は、沢山の彩りに満ちた芸術作品だ。
真っ白な画用紙に絵を描くのとは違って注意すべき点は多いのに、完成品が存在するのはほんの一瞬。
しかし、その積み重ねが身体を作り、生きるためのエネルギーの一部となっている。
具材の見た目に限らず、味や栄養素、作るときや食べるときの状況や気分…
そうした様々な色が、小さな箱にいっぱい詰め込まれている。
アレルギーなどではなく通っていた園や学校の都合で、私は幼稚園から高校までずっとお弁当だった。
キャラ弁は、おそらく一度もなかった。
けれども、お弁当は一種のアートだなと、高校生あたりからようやく思うようになった。
そして、自分で作るようになって、その思いは一層強まった。
加えて、お弁当を持って行き忘れられると悲しいだろうなとか、お弁当箱が空っぽになってくることがこんなに嬉しいなんて!と、日々感じている。
子どもの変化
幼稚園でお昼ご飯を食べるようになってから、自宅での子どもの食事も少しずつ変わってきている。
食べる前に「いただきます!」をしっかり言うようになったし、できる限り完食しようと頑張ってくれる。
幼稚園では、完食すると「ぴっかぴっか賞」をいただけるらしい。
それもあって、自宅でも「『ぴっかぴっかしょうだよ!』」と、食べ終えたお皿を見せてくれる。
なかなか食べなかった汁物も、食べきれなくとも口をつけるようにはなった。
おわりに
食べてくれるか、お腹を壊さないかなど、不安いっぱいで始まったお弁当作り。
まだまだレパートリーも少なければ、なかなか手際良く作ることもできない。
ただ、お弁当作りに対する負のイメージはなくなりつつある。
蓋をする前に中を見せるのがお決まりになっているのだが、(今のところ毎回)子どもが喜んでくれること。
子どもが先生へ、(今のところ毎回)お弁当を見せに行っていること。
且つ先生が私に直接、「ママ、頑張ってるね」と労ってくださったこと
(大人になると、なかなか褒めてもらえないし)。
何より、(今のところ毎回)完食してきてくれていることが、大きく影響している。
この先
子どもにお弁当の中を見せても喜ばない
先生へお弁当を見せに行かない
完食しない
という日が訪れるだろう。
けれども、そんなことはどうでもよい。
子どもにお弁当を作ってやれることが大変とはいえ幸せで、作ることそのものを楽しもう!と考えを改められたから。
まだ数回しか作っていないとはいえ、何年も弟と私にお弁当を作り続けてくれた母の気持ちを、少しは理解できたから。
お弁当作りは、まだ始まったばかり。
簡単、短時間、洗い物が楽、彩りが増える…
そんなお弁当作りのコツがございましたら、教えていただけますと嬉しいです!