『キュリアス・マインド』
ジョン・ブロックマン『キュリアス・マインド ぼくらが科学者になったわけ』(幻冬舎)という本をご存じだろうか?
副題のとおり、科学者たちがその道に進んだ経緯を語っている。
全部は読んでいないが、気になった人物の章には目を通した。
印象に残ったのは、スティーヴン・ストロガッツという数学者だ。
もともと彼は数学好きだったが、親の意向もあって医学部に入る。
それでも副専攻的に数学も履修する。
ますます強まる数学への思い。
しかし医学の勉強のために、それを諦めなければならない口惜しさ。
久々の帰省で心の葛藤を打ち明けた彼に、母親がかけた意外な言葉とは――。
実に感動的だった。
あと、登場する科学者の多くが宗教について言及しているのが面白い。
宗教を理不尽なものとして敵視している人もいる。
やはり宗教との緊張関係が、西洋科学の原動力なのだろうか。