綾辻行人の京大時代
綾辻行人さんのミステリは、高校時代に何冊か読みました。
最初は『十角館の殺人』から入りました。
トリックに、しっかりダマされました。
その後、『水車館の殺人』『殺人鬼』『殺人鬼Ⅱ』『霧越邸殺人事件』を読んでいます。
いずれも、トリックを見破ることはできませんでした。
『霧越邸…』は、たんなるミステリではなく、「綾辻美学」のようなものが凝集されているようです。
ところで、綾辻さんは京都大学出身ですが、出身学部をご存じでしょうか?
なんと、教育学部です。
しかも、大学院も出ています。
Wikipediaによると、専攻は逸脱行動論だったみたいです。
犯罪についても研究していたんでしょうね。
ミステリの執筆にも活かされていることでしょう。
教育学部出身のわりには、教育に悪そうな本を書いている…
と、つい思ってしまいますが、作者自身は暴力描写と実際の暴力とは無関係という考えのようです。
『殺人鬼』のあとがきに、たしか書いてありました。
ここで、具体的にどんな研究をしていたのだろうと気になり、本名の「内田直行」でCiNiiを検索。
すると、
高校における教師と生徒の構成的現実(III-6部会 中等教育(II))
という発表の記録(1984)と、
青少年からみた「青少年問題」
という論文(1988)が教育学関連で、前者には発表者の一人として「内田直行(京都大学大学院)」と記載されていました。
同姓同名の別人かもしれませんが、もしご本人ならば、これらは大学院時代の「作品」ということになります。
しかも、前者はデビュー作の『十角館の殺人』(1987)よりも前のものです。
本格的に綾辻行人研究を志す方は、是非ご参照あれ!