
歌詞が優れた若手アーティストは誰か?
若い世代による楽曲には大して詳しくないが、年に数曲くらいは気に入ったりする。
だが歌詞に感動することは稀だ。
凝ってはいるけどグッと来ない、というパターンが多い。
そんな中でも、YOASOBIの歌詞はイイと思う。
「夜に駆ける」はあまりピンと来ないのだが、「もう少しだけ」「怪物」「アイドル」が好きだ。
作詞作曲のAyase氏は、悲痛な描写から温かいメッセージへと反転させるのが得意のようである。
「もう少しだけ」の場合、次の箇所にその特徴が見られる。
暗いニュースが流れる朝に
気持ちが沈んでいく朝に
自分は「いらない」存在?
なんて考える朝に
あなたのことを思い出したんだ
あなたに会いたくなったんだ
久しぶりに会いに行くよ
今すぐに
前半の悲痛な4行から、そのままの流れで温かな言葉が続くのが感動的だ。
「怪物」でも、
あぁ弱い自分を何度でもずっと
喰らい尽くす
この間違いだらけの世界の中
君には笑ってほしいから
もう誰も泣かないよう
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように
悲痛な3行に続き、切実な願いが歌われている。
「アイドル」では、嘘としての愛が延々と語られたあとで、
Ah やっと言えた
これは絶対嘘じゃない愛してる
と、最後の最後で一気に反転するのが見事である。
クールな感じのAyase氏だが、こんな沁みる歌詞を書けるとは凄い才能だ。