日本回帰論
若い頃は外国、とくに西洋のことに目が行ったりするものだ。
それでも、日本に関係する立場にあるならば、いつかは「日本回帰」してみてはどうだろう?
政治学者の丸山眞男は、学部時代には西洋政治思想を志向していたが、卒業後は日本政治思想の研究者となった。
哲学者の梅原猛は、京大の院で西洋哲学を専攻していたが、日本への理解を深めるべく独自の日本文化研究を開始した。
「天才」として一部で有名な法学者・和仁陽氏は、カール・シュミット論でデビューしたが、東大では日本の法制史を担当している。
お三方ほど若くして回帰する必要はないし、本格的に研究しなくても構わない。
ただ、義務感や劣等感からではなく、自然と「日本ってこんなに面白かったんだ!」と思える機会はあったりする。
私の場合は大学時代、そんな授業に巡り会えた。