興味なかった日本画の世界
以前は、絵画といえば洋画とばかりに、日本画を無視していた。
しかし、ここ数年は日本画にも目を向けている。
まさに絵に描いたような日本回帰だが、知らなかったことを学ぶのは別に悪いことではない。
まず興味をもったのは、狩野探幽(1602-1674)である。
朝日新聞に高階秀爾さんがコラムで書いていて、その存在を知った。
彼の作品の魅力は、躍動感と生命感、そして余白の美学ーー。
次に興味がわいたのは、鏑木清方(1878-1972)だ。
近年、再発見された幽霊画を見に行ったのがきっかけだった。
挿絵画家出身ならではの物語性が、彼の絵には宿っているようだ。
そして、つい最近、竹内栖鳳(1864-1942)を知った。
柔らかなタッチの動物画に心惹かれた。
洋画の手法をも吸収しうる、日本画の懐の深さ!
ことさら日本画を賛美したいわけではない。
ただ日本画を愛し始めただけのことだ。