繊細なことは悪くない❷– “広い視野”ってどのくらい広ければいいの?
いわゆる繊細さん=HSPといわれる気質の持ち主だったわたしが、その性質を受け入れながらも自称適当人間を名乗るようになるまでの道のりを綴っています。
マクロの視点を持つために
》HSP気質のマルチタスク恐怖症
些細なことを気にしすぎてしまう–– けれどそれは、感度の良いアンテナを持っている証拠。周囲の変化に敏感に気づいて気配りができるのですから、決して悪いことではないのです。しかし、つねにアンテナを働かせていれば、自ずと処理が追いつかなくなることもあります。繊細さんの中には、いわゆる“マルチタスク”が苦手な人は多いのではないでしょうか。
わたしもその傾向があり、一点に集中すると他に気が回らなくなります。とくに育児/家事/在宅の仕事と一度に対峙する状況では大パニックに陥りました。小さな子どもが絡んでくると優先度が秒刻みで変わってしまうので、事前の段取りはほぼ無意味。状況が複雑になればなるほど細かいことがすべてが気になり、ドツボにハマりました。
》マクロ視点=広い視野って具体的に何?
そんなとき掛けられたのが、「もっと広い視野で、マクロで見なよ」という言葉。
広い視野を持て。すなわち、冷静になってまわりをよく見なさいの意味合いですが、“広い”の概念はとても抽象的。どれくらい広ければいいの? –– そこで自分なりの“広さ”を定義し、具体的に思い浮かべる風景を設定することにしました。それは“幽体離脱”のイメージ。
散乱したカードに優先順位をつけられずパニックになった時には毎回この風景を思い浮かべるようにしていました。繰り返しトレーニングしていると、囚われていた焦りや不安の感情から切り離されたような感覚を得られることに気づきます。
今では頭のどこかにいつもこの風景があって、客観的な視点とともに日常を送れるようになりつつあります。
わたしが冷静になるための“広い視野”は天井付近から眺める8畳の空間で十分だったのです。
これを夫に説明すると、こんな話が出ました。
夫にとっての“広い視野”は、サッカー中継の俯瞰カメラなのでした。フィールドでの目線とカメラの俯瞰視点を自由に切り替えられたら最強なのにね、と話しました。
§
ぜひそれぞれ自分がイメージしやすい広さの“マクロ視点”を探してみてください。鳥になって空から眺めてみるのもいいし、こんなのもいいかもね。
Powers of Ten / Charles & Ray Eames
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?