キリンを観ているのか、それともキリンから観られているのか『ペンギンズFromマダカスカルムービー』
やあ、僕だよ。
君はどんな動物が好き?僕はやっぱり鳥類が好きかな!
古代を感じさせる脚、そしてじっと見てくるあの瞳が大好きなんだよね。習性も色々あって、飼育してても鳥類に関する本や映像を見ていても、ぜーんぜん飽きないんだ。
ペンギンも鳥類の一種で、「可愛い」とエンタメの中でマスコットにされがちな動物。今回はそんな「可愛い」ペンギンが主役の映画を観たんだ。「可愛い」し、とっても面白い映画だったよ!
あと、僕の今日のお出かけについても書いていくね。
さあ、始めようか。
君が楽しんでくれると嬉しいな。
本作あらすじと感想
『ペンギンズFromマダガスカルムービー』(アメリカ,2015)
『マダガスカル』シリーズのスピンオフ作品。
僕は例によって『マダガスカル』シリーズの大ファンで、特に『マダガスカル3』はエンタメ映画として最高の映画だと思ってる(これはまた後日記事にすることにしよう)。
物語はその続き。生粋のニューヨーカーな「アレックス」たちがシリーズ通した長い旅を終えて大団円を迎えたというのに、4匹の「ペンギンズ」はやはりスリルを求めていた。
そんな中、ニューヨークの動物園で一緒だったタコのデーブが「ペンギンズ」を逆恨みして、世界のペンギンを巻き込んでの復讐計画を立てる。
元々『マダガスカル』シリーズは友だちや恋人や家族の関係性を丁寧に描くシリーズだけれど、今回の『ペンギンズ』は「チーム」の関係性を描いていて、また違う『マダガスカル』ワールドを堪能出来る。
リーダーシップについて問われた「隊長」や、仕事を任せて貰えない「新人」のやるせなさ(あるいは「ノースウィンド」のような大げさなだけの普通の「チーム」)なんかは必ずどこかで見かけるし、思うところがある大人は大勢いるだろう。
成し遂げるべきことや成し遂げたいことは何なのか、そしてその力が自分に備わっているのか。自分の実力を客観視しながら自信を持つのは難しいけれど、でもちょっと一歩踏み出したくなる、そんな映画だったよ。
動物園に行きたい!
生後4ヶ月未満の乳児が「動物園行きたい」などと喚くわけもなく、つまり僕が喚いたのである。動物園に行きたい!
僕は動物園が大好きだ。動物業界に入るなんて夢にも思ってなかった大学生の頃も、上野動物園の年間パスを持っていた。
その頃はやけに平日空いていて、多分パンダはいたと思うのだけれどあまり記憶にないし、僕以外のお客さんもパンダ目当てとはとても思えない人(年齢のちぐはぐなカップルとか赤ペンを耳につけてるおじさんとか)ばかりだった。
そんな客層だし、何より人がいないから、より園内は寂れて見える。
森鴎外が泊まっただかのホテル(現在は閉業)、サウナの文字、消費者金融や通信会社の看板、その他妙にノスタルジックなビル群を背景に、キリンを眺めていたのを覚えている。
別にキリンが好きだったわけじゃない。ビールを出してくれる売店が、そこのすぐ近くだったからだ。
サイとかハシビロコウもよく観てたと思う。ハシビロコウがブレイクする少し前の話だ。
動物園行ってきた
せがみにせがんで、上野ではないけれど、それなりに大型獣のいる郊外の動物園に行った。
そこの動物園も上野に負けず劣らず寂れていて、しかし場所のわりに結構飼育を頑張っているのが分かる良い動物園だった。
それにしても都会の動物園にいる動物と、郊外や田舎の動物園の動物って表情が違うように思う。なんというか、観られ慣れていない感じがする。
「アレックス」のような擬人化された自我はないにしろ、都会の動物園にいるやつらは「観てくれていいよ」感、つまり観られ慣れている都会的可愛さがあるのだ。
僕はあの頃のように、キリンを観た。そしたらそのオスのキリンは、逆に僕をじっと観ていた。
錆びた金属製の囲いの周りは鬱蒼としげる木々で、合間から彼は僕を観ていた。サバンナ出身の動物が多く展示されるエリアだから、展示環境にも配慮された作りなのかもしれない(あるいは単に整備が追いついていないだけか)。
僕は、じっと観られていた。
息子氏のことめっちゃ見てんじゃん
夫の笑い声にはっと気づいた。よくよく視線の先を見てみると、確かにキリンが観ていたのは僕ではなく息子氏、正確に言うと息子氏の運ばれ方だった。
多くの子たちが対面抱きか、横抱きにもかかわらず、僕は息子氏を前抱きにしていた。それがキリンの目をひいたのだろう(草食だから視野は広くとも視力は低いと思ったが、哺乳類イチ目がいいらしい)。
キリンはゆっくり体を揺らし、やっぱりこちらを観た。
彼の横には子キリンが展示されていて、思うところがあるのかもなんて考えたりもしたが、思うところなんてなくても僕らはキリンを観るのだから、キリンだって何となしにぼーっと人間を眺める時だってあるんじゃないかしらと思い直した。
ちなみにその後フンボルトペンギンを見に行ったら、こっちを見もせず、思い思いの生活を営んでいた。「ペンギンズ」なら「可愛い顔をしていろ」の場面なのだけれど。
これはこれで、郊外(あるいは田舎)的可愛さということで。
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