ある夜中
「iのこと好きなのに、全然心開いてくれてない。私は会いたいのに全然会ってくれない。私になんて気を使わず、雑に扱ってくれていいのにぃぃぃ」
泥酔状態で号泣している友達。
ある夜中、突然かかってきた電話を受けた日。泥酔している友達から学んだことがある。
自分が相手を思ってしたことでも、相手を傷つけている場合があることを。
私は、1人行動が好きだ。
それは、気が楽だし誰も傷つける恐れがないから。1人なら誰にも迷惑かけずに、自由気ままに行動できるし、相手に気を使うこともない。自分の言動で無意識に相手を傷つけることもない。だからご飯もカフェもカラオケも旅行も、1人なのが当たり前の日々である。たまに人と話したくなったら、家族に電話をかけたりバーに行ったりする、それが私の日常だ。
友達と遊ぶのは2.3ヶ月に1.2回。ただ、遊ぶ日はたっぷり半日遊ぶ。普段1人で過ごしている私でも、その日はきちんと友達に合わせることができる。友達のことはもちろん好きだし大切だし、一緒にいて楽しい。だが、私と仲良くしてくれる尊い友達を大切にしたいからこそ、気を遣う。それを「疲れた」と感じたくないし、そう思いたくない。だから、相手といい関係でいられるよう、友達と遊ぶペースを考えた結果、今に至る。
そうやって生きてきたのだが、友達に冒頭の言葉を言われて驚いた。
相手のためだと思っていたことが、意図しないナイフとなって傷つけていた。
友達付き合いは本当に難しい。
私は心を開くことが苦手だ。苦手というより、開き方がわからない。
心を開くって何...?どうやるの...?
友達を大切にしたいから、自分が忙しい時や落ち込んでいる時は会わないようにしていた。相手に時間を割いてもらってるのに、十分な時間を確保できないと申し訳ないし、自分の負を移したくないし。距離を取ることで大切にしている気になっていた。
でも友達は、頼ってほしい、気を使わなくていいから会いたい、と言ってくれた。
こんな人付き合いが下手な私に、会いたいと言ってくれる人がいる。こんな幸せは嬉しくて恥ずかしい。
私はもう少し、柔軟に、寛容に、周りに頼ってもいいのかもしれない。こんなにも自分だけで生きなきゃと気を張らなくてもいいのかもしれない。
そう思わせてくれた夜中の電話だった。
おわり