小原工芸和紙の魅力
手漉き和紙の漉き方
日本において、最も主流に行われている手漉き和紙の製法は、「流し漉き」というものだそう。
日本に最初に伝わった紙漉き方法は、「溜め漉き」と呼ばれるもので、中国から伝わったものだ。この方法は、厚い和紙を漉くことには適しているが、薄い紙を漉く時には、ムラになったり、穴が空いたりと不都合もあるという。そこで、薄くても破れない紙を作るために、「流し漉き」という方法が開発されたとも考えられている。「流し漉き」は、西洋にはない東洋の漉き方で、日本では特に発展した方法のようだ。
「半流し漉き」という方法
小原工芸和紙の制作過程は、「溜め漉き」から「流し漉き」へ移行する中間点にある漉き方だ。それは、薄く強い紙を大量に漉くことには長けていないが、一枚ずつ異なった紙を漉けることや、様々な素材を一度に用いることができることなどの魅力がある。
「かのうともみひさし」ご夫妻の和紙
ご夫妻に「一日に何枚くらいの紙を漉かれるのですか」と尋ねたところ、「精一杯で、15枚ほど」との答えが返ってきた。ご夫妻の和紙展へ伺えば、その個性豊かな和紙に圧倒される。
「毎日、日記をつけるように紙を漉きます」
とおっしゃった言葉のとおり、あらゆる素材を組み合わせた様々な和紙が並び、大胆でありながら、隙のない美しく光沢のある和紙は、他では出会うことのできない魅力に溢れている。
毎年、夏に、ノリタケの森ギャラリーで個展をされている。
ご夫妻も在廊されているので、和紙について、作品について、深く豊かなお話を伺える。