スーパー戦隊シリーズの格付けの補足説明と戦隊のこれからについて
以前に書いたこちらの記事について、見直してみたら『超新星フラッシュマン』『騎士竜戦隊リュウソウジャー』を入れ忘れたので、それも含めて、改めて各ランクの作品についての印象も含めたヒュウガ・クロサキ評と戦隊のこれからについて語ろう。
S (傑作……101点以上)
『電撃戦隊チェンジマン』
『鳥人戦隊ジェットマン』
『星獣戦隊ギンガマン』
この3つに関してはもう何度も言っているので言うまでもなく、「この3つさえあれば戦隊シリーズは他に何も見なくていい」と言える人生ベスト3と言い換えても差し支えない珠玉の逸品。
もはや「ここが素晴らしい」「こういうところが魅力」と言語化する前に作品としての圧倒的な力の前にひれ伏す他はない傑作群であり、その中でも「ギンガマン」は頭1つ抜けて人生のベスト1。
それぞれが「古典的デクパージュとしての「戦隊」を完成させた傑作」「古典的デクパージュとしての戦隊を脱構築した傑作」「古典的デクパージュと脱構築を融合させ「再構築」した最高傑作」という「象徴」を担っている。
しかもいずれもが私の人生の節目に現れているのも幸か不幸か大きく影響しており、今後どんな傑作が出てこようがこの3つを超えることはないと断言できるくらいに時代性も感性もあらゆるものを軽々と飛び越えた例外性のある作品。
A(名作……81〜100点)
『秘密戦隊ゴレンジャー』
『超獣戦隊ライブマン』
『激走戦隊カーレンジャー』
『未来戦隊タイムレンジャー』
『轟轟戦隊ボウケンジャー』
『侍戦隊シンケンジャー』
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』
Sの3作品ほど飛び抜けて優れた例外性と普遍性を持ち合わせているわけではないものの、クオリティーの高さをしっかり保ちながら他にはない独自性の高さが個性になっている作品群がここに入るだろう。
まあいわば「出来ラッシャー=優等生」ってやつで、物語・キャラ・世界観などあらゆる点において非常に高品質ではあるものの、一方で時代を飛び越えるほどの例外性と普遍性という領域にまでは至っていない。
SランクとAランクの差はまさにここにあって、Aランクは「独自性が高いが再現性がない」ものばかりであり、少なくともシリーズ全体の流れを変えるには至っていないためにAランク止まりといえる。
要は「たまたま能力の高い天才ばかりが揃ってすごい作品ができました」であって、シリーズの以後の流れに長きにわたって影響を与え続けているわけではないという作品群ばかり。
B(良作……66〜80点)
『科学戦隊ダイナマン』
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』
『特捜戦隊デカレンジャー』
『魔法戦隊マジレンジャー』
『海賊戦隊ゴーカイジャー』
『烈車戦隊トッキュウジャー』
Aランクほどにクオリティが高いわけではないものの、そこに迫るくらいの輝きを放っている「まあ良いだろう」といえる、いわゆる「安心して見られる」作品がここに並んだ。
以前はその中で『救急戦隊ゴーゴーファイブ』『海賊戦隊ゴーカイジャー』はAランクに思えたが、見直せば見直すほど細かい詰めの甘さや好感度という点でAランク入りはできないのではと下方修正に至った。
BランクとCランクは言うなれば「惜しい」「痒いところに手が届かない」という印象が強く、「ここでもう一歩踏み込めていれば」という押しの弱さ・脇の甘さが目立って減点されてしまっている。
高いポテンシャルを持った「ダイヤの原石」ではあるのだが、それが「原石」のまま終わってしまっていて、そこから高く跳ねるには至っていないためにここに収まっている。
C(佳作……51〜65点)
『バトルフィーバーJ』
『電子戦隊デンジマン』
『大戦隊ゴーグルファイブ』
『地球戦隊ファイブマン』
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』
『五星戦隊ダイレンジャー』
『機界戦隊ゼンカイジャー』
ここまでがギリギリ作品として「及第点」というものばかりであり、総合評価は「悪くない」ものの、やはりどこか「惜しい」「突き抜けきれていない」というのがBランク以上に目立つものばかりである。
理由としては「気を衒いすぎて基礎基本の足元がお留守になっている」のと「基礎基本にばかり目を向けすぎて応用に行こうという気概がない」の2種類に大別されるからだ。
前者が「バトル」「ダイ」「ゼンカイ」で後者が「デンジ」「ファイブ」「ジュウ」なのだが、再現性もそこまで高くはないし今見直しても別にそこまで好きというわけではない。
しかし、それでDランク以下に落として切り捨てるには惜しい「何か」を持っていて、その「何か」が私をしてこの評価に留まらせているのだろうというのが最終的な落とし所でる。
D(凡作……41〜50点)
『太陽戦隊サンバルカン』
『高速戦隊ターボレンジャー』
『忍者戦隊カクレンジャー』
『電磁戦隊メガレンジャー』
『忍風戦隊ハリケンジャー』
『動物戦隊ジュウオウジャー』
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』
『爆上戦隊ブンブンジャー』
ここらの作品群は正直及第点以下の作品群ばかりで、こちらもBランク同様に『忍者戦隊カクレンジャー』『電磁戦隊メガレンジャー』『動物戦隊ジュウオウジャー』が再見して微妙だったのでこちらの豚箱行きに(苦笑)
「ドンブラ」「ブンブン」はどちらも素材は悪くなかったが、その素材をきっちり100%活かして魅力に昇華できなかったのは返す返すも残念の一言。
その他の「サン」「ターボ」「ハリケン」「ジュウオウ」は流し見で見ると悪くないが、いざ細かく分析して語ろうとするとボロボロと粗が出てしまうという「叩けば叩くほど埃が出る」ものばかりだ。
総合すると「ダイヤの原石」であることには間違いないが「原石以下」で細かいケアレスミスや軸足の弱さからこの評価に落ち着いてしまっているという印象だろうか。
E(不作…31〜40点)
『超電子バイオマン』
『超新星フラッシュマン』
『光戦隊マスクマン』
『百獣戦隊ガオレンジャー』
『炎神戦隊ゴーオンジャー』
『特命戦隊ゴーバスターズ』
『宇宙戦隊キュウレンジャー』
『魔進戦隊キラメイジャー』
ここから先はぶっちゃけ褒めるところを探すのが難しいくらいにクオリティーの低いものばかりなのだが、その中でも「まだ頑張る意思が見える作品」と「ガキに媚びている作品」とで分かれているだろう。
前者が「バイオ」「フラッシュ」「マスク」「ゴーバス」であり、残りの「ガオ」「ゴーオン」「キュウ」「キラメイ」が後者なのだが、何が不味いと言って最初についた悪印象を年間通して覆すことに失敗したことである。
前者は最初の躓きを挽回しようとするも空回りしているためにまだフォローのしようがあるが、後者は最初から目指すハードルが低すぎる上に「ガキ向けだから」と言い訳して作品全体が及び腰なのが透けて見えてものすごく腹立たしい。
言うなれば「赤点取らなければいい」と真剣に頑張ることをどこかでダサいとかバカにするくせに結果も残せず、中途半端に終わって落ちていく「ドラゴンボール」でいうところのヤムチャみたいなやられキャラばっかりなのも共通項。
F(駄作……0〜30点)
『ジャッカー電撃隊』
『超力戦隊オーレンジャー』
『爆竜戦隊アバレンジャー』
『獣拳戦隊ゲキレンジャー』
『天装戦隊ゴセイジャー』
『獣電戦隊キョウリュウジャー』
『手裏剣戦隊ニンニンジャー』
『騎士竜戦隊リュウソウジャー』
『王様戦隊キングオージャー』
はい、ここは完全に赤点レベルのレッドゾーンを振り切った作品ばかりで、「褒めるところを探せ」という「ウォーリーをさがせ!」並の難題を私にぶつけ続けてくる凄まじい作品群である。
逆にいうと、以前も述べたように「戦隊シリーズとして明らかにやってはならない御法度」をやってしまったものばかりであり、反面教師とするには格好の材料ばかりだ。
だが、Eランクと同じように「頑張ったけど空回りしてしまった」のか「明らかに舐めて作っていることが透けて見える」のかで違うわけで、そういう意味で「アバレ」以降はもう目も当てられない。
「子供向け番組」以前に仕事に対する姿勢やプロ意識というものを履き違えた作品しかないのだが、前評判の段階だと今年の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』もここに入る予感。
戦隊のこれからについて
『超新星フラッシュマン』『騎士竜戦隊リュウソウジャー』を入れ忘れたのでそれも含めて細かな評価基準を言っていなかったので、改めての補足説明という感じだが、まあ少なくともSランクとAランクはここで固定で大きく変わらないだろう。
なので、今後戦隊シリーズに関して細かいレビューや批評を書く機会があるとするならばここくらいで、Bランク以下に関してはぶっちゃけ「見る」ことはあっても「語る」ことはない。
私の中で今はもう「何を語るか?」ではなく「何を語らないか?」に重きを置いていて、「選択と集中」という観点からすればあれこれ語ることを広げるよりも語るべきものを狭めてクオリティを高めた方がいいだろうという判断である。
まあそもそも「ガオ」以降を私は「戦隊」として認めてはいないのだが、まあそんな中でもいい作品が2010年代まではポツポツ散見されたが、2020年以降はどれも不作ばかりで、もはや戦隊だけではなく東映自体が老いて力や勢いを失った印象だ。
これを今年の戦隊が払拭できるかというとまあ無理だな、だって今や年老いた白倉に田崎監督とかの井上敏樹の娘さんだろ?
こんなバランスの悪い、全盛期の輝きを失った連中が今更シャカリキに頑張ったとてS〜Aランクの名品なんか作れるわけなかろう。
寝言は寝て言え、異論がある奴はコメントでどうぞ、俺がボコボコに叩き潰してやるよ。
以上。