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2025年2月の振り返り
カバー画像は近所のお寺のありがたいお言葉。
今月は3年ぶり?にコロナにかかってしまって大変だった。とはいえ、そのおかげで家にいる時間を長く取れたので、色々インプットしたりアウトプットしたり捗った気がする。先月分はこちら
読んだもの
戦略コンサルのトップ5%だけに見えている世界
X で見かけて買った気がする
「思考態度」と「思考枠」という整理
問題に対して愚直にロジックを重ね続けるのが ”思考態度” で、そもそもの問題の解釈を変えるのが ”思考枠” (≒パターン認識を増やす)
問題をどう解釈するか?(”何が” 問題か?)はいわゆる問題発見の話で、ライト、ついてますか とかでも繰り返し述べられているけど、その前段となる思考態度が大事だよねーと改めて思った。why so? / so what? を行き来し続けて、思考を止めないこと
「普通に考えたらAという結果になるけど、Bという結果になる」というときに、そのままBという結果を受け入れるのではなく、Aにならないということはなぜなのか?何を見逃しているのか?と突き詰めていくイメージが近いのかな、と思っている
「インサイトドリブン」というアプローチ
論点思考, 仮説思考で問題に向き合うと、問いを設定した時点で問題の捉え方(思考枠)がほぼ決まってしまう ≒ その範囲でしか物事を考えられなくなってしまう
なので、論点思考, 仮説思考で問題に向き合いつつも、その前提となる問題の捉え方に対して、「そもそも」を投げかけるインサイトドリブンのアプローチを並行出来ると良い
具体的な流れとしては以下
1/ 仕込み:通常の論点, 仮説を出したうえで、”そもそも” を問う
2/ 複線化:論点や仮説を詰める作業。複数の切り口で分析する
3/ 熟成:寝かせる。一度問題から離れる
4/ 編集的知性:分析内容をフラットに眺めて、組み合わせる
1 時点で問題意識をできる限り高めておくこと(ただし、答えは出さないこと)が大事。アンテナを立てておくイメージ
答えを出さない(出せない)モヤモヤ感に耐えられるかはまさしくネガティブケイパビリティの話だな〜と思った
また 3 の熟成については、似たようなことが 思考の整理学 にも書かれていたし、脳のDMN(Default Mode Network)を上手く使うということなのだろう
a/ 問題を定義するのは Exective Attention Network
b/ 解決策を探索するのは Default Mode Network
c/ 問題と解決策の適切な組み合わせを見つけるのは Salience Network
それぞれ脳の違う部分を使うのと、a で問題にフォーカスしてから一度離れないと b, c が上手く動かない
欲望の見つけ方
これはたしか去年くらいに書店で見かけて気になっていて、最近 TimeTree 代表の深川さんの note でも紹介されていたのでポチった
ルネ・ジラールという学者の入門書で、「人は他人(モデル)を模倣する機能があり、モデルを通して ”欲望” が形成される。モデルとの距離によって、模倣は”競争”に発展する」ということが書いてある
セレブの国(モデルとの距離が遠い)では競争に発展しないが、1年生の国(モデルとの距離が違い)では競争に発展する。なぜならお互いがお互いを模倣し合ってしまうので、延々とサイクルが回ってしまう
ちなみに、ピーター・ティールはジーラルを師と仰いでおり、この「欲望のサイクル」が回っていることを理解して Facebook への投資を決めたらしい
この欲望のサイクルから抜け出すには、自分の欲望に向き合って優先順位を付けることが大事。要は自分の幸せの尺度を決めようね、という話かな
普通という異常 で読んだ内容とも整合する気がしていて、人間は自分という存在を他人の目を通してしか定義できず、「他人からどう見られているか」を通して自分という存在を認識する。それが故に(自分の Identity を守るために)、模倣の競争から逃れにくい、ということなのかな
真似される = 自分の特徴を奪われる、ということになるので
Status as a Service の「ステータスを求める猿」というくだりも似ている気がする
一方で、デジタルネイティブ世代(というか、マルチプレイヤーアイデンティティな世代)においては、所属するコミュニティを複数持てることで(≒ どこかしらで自分の Identity を構築できるから)競争のサイクルから抜けやすくなったりしてるのかな〜とか思った
手段からの開放
暇と退屈の倫理学 で、「消費と浪費を区別し、浪費を楽しむべきだが消費(記号や概念)によってそれが叶わなくなっている」という問題提起をしており、そこから「楽しむとは?」について更に掘り下げた本
目的への抵抗 と対になっているかと思ったが、同じことを別角度から言っているだけだった
目的からも手段からも解放された営みが享受の快(≒浪費を楽しむこと)であり、そのためには「自分はこれが好きなんだ」という経験を積むしか無い。が、消費社会が画一化した趣味を押し付けることで、そういう「自分ならでは」な経験を積む機会自体が奪われているのではないか。同様に、何事にも ”目的” を求める態度(≒嗜好品の排除)が生活それ自体の手段化を招いてしまっているではないか、みたいな問題提起をしている
本筋ではないが、「哲学とは概念を使って問題に取り組む学問であり、概念を研ぎ澄ませるためには論文を書かないといけない。論文の中で、哲学者たちの考え(先行事例)や、自分の考えを整理しないといけない」というくだりがあり、要は ”概念を扱うためにはドキュメントにまとめないといけない” ということだと思うが、これは結構腑に落ちるものがあった
プロダクト開発も、ユーザーの行動をモデル化(≒概念化)して、システムに落とし込む、という取り組みなので、概念を扱う以上、文字の形にまとめないといけないんだなーと
小澤隆生 凡人の事業論
これも X で見かけて買った。とても良かった
言ってることはシンプルで、1/ 最低限達成すべきゴールを決めて、事業の「センターピン」を見極める、2/ 仮説を立て、テストを繰り返し、ゴールに最短で到達する「正解」を見つける、3/ 見つかった正解を、徹底的に「実行」する、というもの
最低限のゴール(51点)は聞いた側が「まぁ、そうだよね」と理解、納得できる当たり前の内容になっていることが大事
最低限のゴールを定めるのは優先順位を明確にすることが目的で、それ以上のことを目指さない、やらないというわけではない
より高得点を狙っていくために、事業の方向性(コンセプト)を「打ち出し角度」として定める。この打ち出し角度は自社のアセットに依存する
打ち出し角度が決まったら、それを要素分解して「センターピン」を定める。要素分解は競合(これは打ち出し角度によって決まる)の調査を徹底的に行い、成功の共通項を見つけるイメージ
打ち出し角度の設定からセンターピンの落とし込み(成功要因を要素分解するところ)は、もうちょい自分なりに咀嚼したいなと思っている📝
小澤さんと南さんの対談記事とか見つけたので、参考になりそう
そういえば南さんも基本的に同じこと言っていたなーと思い、今更ながら 突き抜けるまで問い続けろ を読んでみようかな
その他、あえて ”利己的な人間” になる ということを、スキルとして身につけられると良さそうだなと思った
事業を成功させるためには執着心が大事で、そのためには自分の気持ちに素直になる必要がある
が、自分の性格的に「相手に悪いな、、申し訳ないな、、」みたいな気持ちになってしまうことが多いので、そういう傾向があるとメタ認知して、あえてここは利己的にいかせてもらう、と判断できると良さそう
やったこと
ランニング
コロナにかかってしまって2週間ランオフ。140km で着地。1月の半分くらい。
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2週間ぶりに走ったら全体的に筋力が落ちてしまっていて(10km走っただけでも筋肉痛になった)、何より心拍数が高くなってしまう(体感5〜10くらい高い)のが辛い。3/16 のさいたまマラソン までに走力戻せるか不安過ぎる….が、この辺の体調管理含めて地力なので、仕方ないかな。
一番心配だったのは「ランニングのモチベーションが途切れてしまわないか?」というところだったけれど、休んでいる間にグループランのイベント申し込んだり、ジョグシューズを新調したり、少しでも走ることが楽しみになる予定を仕込んでおいたので良かった。些細なことでも良いので、「自分にとってモチベーションに上がる何か」を把握しておくのが習慣化の観点ではとても大事だなーと再確認。
コロナ
3年ぶりにコロナにかかってしまった。何か喉痒いな〜と思って寝たら翌朝発熱。とはいえ、37.5℃程度だったので1日寝れば治るかな?と思ったところ数時間後には39℃を突破。3日ほど高熱続いて辛かった。後遺症なのか解熱後も数日目眩が続いた。
普段通りの生活をしていて、特別ウィルスをもらいそうなところに行った自覚はないので、負荷と回復のバランスとって免疫しっかり高めるしかないかな(毎週土日に20キロずつ走っていたので、ややオーバーワークだった感じは否めない)
note 書いた
暇だった(というと語弊があるけど)、自分も家族もコロナかかってしまって、2月は家にいる時間が長かったのでインプット, アウトプットに時間を使うことができた。仕事であまり意識せずにやっていることを改めて棚卸し出来て良かった。