国立国会図書館から歴史資料を取り寄せた。『日本国憲法制定に関する談話録音 速記録』(金森徳次郎憲法担当大臣)を読み解く「憲法は歴史の所産」 2024/05/12
みなさんおはようございます。2024年 令和6年5/12日 日曜日、朝の5:08分を廻りました。立憲民主党の衆議院議員 原口一博です。昨日はですね、太良のみなさん、ほんとありがとうございました。すっっごくいい講演会でした。感動した。‥‥以下中略‥‥
今日の一番目の話はですね。日本国憲法ですね‥。昨日お約束したとおり、これ――『日本国憲法に関する談話録音』ということで‥
金森徳治郎さん――日本の大蔵政治官僚・政治家・憲法学者。岡田内閣の法制局長官。第一次吉田内閣の憲法担当国務大臣。初代、国立国会図書館長もお勤めになってるんですね。お亡くなりになっているのが‥(下記述)僕が生まれる直前ですね‥。
[金森徳治郎:かなもりとくじろう:憲法学者。1886/3/17-1959/6/16 。1912年東京帝大法科大学卒業後、大蔵省を経て法制局入り。法令の平易化により国民の理解を得ることを戦前から重視。第一次吉田茂内閣で国務大臣として憲法に関する議会答弁にあたる。憲法の口語化においても功績多大憲法改正草案を作る過程で内閣嘱託。天皇の存在、ことに ”象徴” 天皇制の意義についても現今で言う天皇の人格的霊性とその表徴性によって体現される国家像のヴィジョンがあるといえ、この点を貴重なものとする視点からは明治憲法制定における伊藤博文の存在以上の大きさがあるともとれる。文字起こし者記]
‥で、この談話録を読んでいると、ほんとうに知恵の塊ですね。さすがあの、法制局長官もされてる憲法担当大臣と。幾つかに分けて、お話をしたいと思います。これこんなに厚いですので、どこまでやれるか、読んでみますね。で、最初の処は、憲法は歴史の所産であると。これは、引き語り:談話者の言葉をですね、そのまま速記録にしたという事で、ま、佐賀の葉隠(※葉隠聞書)に似てますね、山本常朝[※1659-1719 肥前生、佐賀藩士。鍋島光茂に仕え、御書物役であったが、光茂の死後、影響を受けた常朝が武士としての心得を口述したものが葉隠聞書。葉隠四哲のうちの田代陣基との共作と言われる]の、あの葉隠――葉隠れという者についても皆さんと研究していきたい。それは、大和心というものをでしね、ここでしっかり体現してる哲学だからですね‥。よくあのう、葉隠 武士道とは死ぬことと見つけたち、というって、あれをよく悪用してた人がいますけれども、死ぬことじゃないんですよ。死にもの狂いで生きること、についての哲学を、言っているんですね。
じゃあ、一寸読んでいきますね。
それでは、ただいまから日本国憲法の制定過程に就きまして、金森官長のお話をお願い申し上げます。
金森館長はですね‥憲法は歴史の所産であると‥もぅ最初っから、憲法は歴史の所産であるということを言っている、憲法審査会の議論で、そういう事を言っている人が居ますが、之さえ多分読んでいないんじゃないかなっていうような議論――いかんですね。で、一寸脱線に脱線して申し訳ないけれども、今ね、ロシアに移住する人が増えてるっていうんですね、で何でなんだろうあと、友達と話してたんです。さっき。ヨーロッパのね。で、そりゃあ、エネルギーと食料に困らないからだよ、と。
今度僕、新緑の集いっていうのやるんですよ。で、いつも3千円くらいでやれてたのが、この5年で、5千円になってるんですよ!で、5千円は高いだろうと。それ、お酒とか出してるのかと言ったら、いやいやお酒なんか出したら5千円なんかでとても無理です、と。お酒も無しで、これでもうギリギリで‥会場がほんとギリギリで、もう勘弁してくれって、いうのが5千円なんですって。もう、ほんとにね。この物価高。エネルギーも食料も、顧みない傀儡政治、これもう、替えなきゃいけませんね。で、そのヨーロッパの友達はオレもロシアに移住したいって言うんです。いいねぇ~あなた。僕はロシアの入国禁止リストに入ってるから、行けないんだよねって‥。ぼくはサンクトペテルブルグが大好きでですね。あの、サンクトペテルブルグオーケストラって、佐賀の、そこの文化会館にもこけら落としに来てくれてくれたんですね。もうそういうのも行かれなくなって、どうしてくれんだ!岸田さん、って言いたいけど、そのヨーロッパの彼が言ってたのは、何でロシアに行きたいかって言うと、プーチン氏のこの間の就任演説で、国家主権と憲法を守るって宣言してるんですね。主権がどこにあるかもうわかんないような、属国、でどっかの国・戦争屋に命令されてですね、テキトーなことやられて、おまけに憲法まで変える、と。『憲法を変えることに不退転の決意で臨む』と――原口さん、あなたの国は、大変なことになりましたね、って言ってました‥。じゃあ、ごめんなさいね、前置きが長くなった‥
金森官長さんはこう仰ってます。
今「自称の保守」の人たちは、何て言ってるかというと、この憲法はアメリカが作ったんだ、と。アメリカが押しつけたんだから、早く、一刻も早く――僕も昔そう思ってたんですよ。でもね、それって、保守の考え方じゃないんですよ。なんとなれば、アメリカがそういう事をやって来たという事を前提にしてもですね、そこで、それに異を唱えたり、変えようとしたり、或いは修正しようとした人たちが居て、或いはそれを受け容れて、生かして来た、日本の歴史がある、んです。歴史を無視してるんです。これは、「アメリカ」が作ったモンだっていうことになった。
あの、東京裁判史観って、僕は、学問的には批判されていいと思うんですよ?っていうか、批判される「べき」だと思ってる。しかし、レビジョニズムっていうか、歴史を修正することはできない、んです。もう一回、1941年に戻ってですね、戦争する訳にいかないんです。それよりも、歴史を鏡に、未来を考えていく。何故、戦争に追い込まれていったのか。
僕らから見たらあれ、完璧な罠ですよね。
マキジャニさんが昨日、紹介してた、この「Why Japan」っていう本(ケリーさんとの共著:Why Japan?―原爆投下のシナリオ)の中で、
(※この本は、市販には現在取り扱われていないのでメルカリなどで。文字起こし者記 24/05/13現在)
この中で、原爆が、何故、いつ、日本に落とす事が決まっていたか。あ、勿論、政府―アメリカ政府全体じゃないですよ?マンハッタン計画の中で、何故1939年に、日本に落とすということが決まっていたか?それを、マキジャニさんはアメリカで僕らに教えてくれたんですけれども、そういうものと、正対しないでですね、誰かの支配者の言葉に乗ってやってたら、まさに、またドツボに嵌まりますよ。
深いですね~。やはり、僕らも‥この方は、大臣までした方ですよね。で、非常に謙抑的なんですよね。謙抑的。つまり、権力を振りかざしてないんですよ。ね、会ってみたかったですね、まあ物理的には‥
まあ天皇については、天皇っていうか皇統についてもですね、いろんな答弁があります。まあそれはまた別の処でご紹介をするとして、続けますね‥
すごい事言ってますね。永遠なるべきもの――その本質を、この憲法の中には備えてるんだと。
ここは興味深いですね。なんか口が滑ってしまって条文が確定したということがあるんでしょうね?思い浮かびます?それ。僕は思い浮かばないですね。もっと勉強しなければいけませんね。
今、憲法改正を叫んでいる人たちの議論を見るとですね。まさに、真面目に・真剣にやっとるのかと?いや、真剣にやってる人もいいっぱいいますヨ、同じ国会議員としてもね。でも、だったら僕の、僕らが出した、国民投票法を先にヤレよ。(国民投票法で意見を問う項目として)外国人をCMを流していいって、CMに金出していいって、それこそ亡国じゃないか?自国の憲法を作るって、起草して、それを国民のみなさんにご判断戴く、国民投票法の、宣伝を、外国人がやれるって――そこに孔が空いてるっておかしいだろうが?ね。真面目に考えてない証拠じゃなかか?いんにゃっていうんだったら、――あ。ごめん、佐賀に居ると佐賀弁になる。。えっと。違うっていうんなら、違うの証明してみたらいい。
で、この後の憲法観っていうのも、すごく面白いんで、一寸読みますね。
憲法観――日米の差。
[※この意味は、アメリカ人にとっての憲法観・日本人にとっての憲法観というのの、比較思想的な違い、という意味でも、アメリカ人にとってのアメリカ人のための憲法観と、日本人にとっての日本国憲法の憲法観との違い、というのでもないことに注意しなければならないのである。むしろ翻って、日本国憲法を作った主体・当体論に及ぶし、また まさしく "此処" に於ける相互の差異論である。文字起こし者記]-19:19
僕はこれを、大和心、と名付けてる訳ですね。で‥
普遍的なもの――永遠に連なるもの。人間の尊厳とか、自由とかいうのは、普遍的な価値ですね。
結局は、同じなんでしょうけれども‥
と。これもすごく面白いですね。憲法に対するアプローチを、所謂帰納的に考えるか、個々のものから発想して、もっというとプラグマティクに・功利的に・現実的に考えるか、私たち、ここで金森さんが仰っているように、演繹的に、もっというと永遠なるものから発想して――もっというと大和心とかそういうものから発想して――憲法を考えるかっていうのは、或意味真反対のアプローチですね。
で、次ですね‥
凡例国の憲法と、国の根本法としての憲法
之もすごく面白いです。うーん書籍化出来たらいいですね。
あっそうだ。一寸ここでですね、ブレイクって言うか、
コレ――僕の大学の同級生の書いた、加藤陽子さんの「戦争まで」という本ですね。
すっごくいい本ですね。
「戦争まで――歴史を決めた交渉と日本の失敗」
東京大学の教養学科の時に、ご一緒してた方ですね。もう、すぐれた歴史学者ですけど、例の 菅内閣の時の学術会議の六人の中のひとりになったんですよね。加藤さんは、ぼくが同級生として、講演にお願いしても、来ないような‥まぁ、忙しかったからだと思うけど、別に、民主党に寄ってる訳でも何でもないですよ。で、なのに何で、あんな目に遭うか、全く理解できないですね‥。
[※2020年、日本学術会議の会員に推薦されながら、菅義偉首相によって新会員任命を拒否された問題(学術会議選定会員候補者105人のうち6人が菅によって除外された、そのうちの一人だった。同決定の経緯や理由などの説明がない) のちに『この国のかたちを見つめ直す』(毎日新聞出版)を出版(2021年)。文字起こし者記]
話を元に戻しますね。アメリカの大学に行って勉強すると、ま色んな事がありますね。日本の大学でもそうです。ぼくは東京大学で、まぁまさに憲法の父っていうか、樋口陽一先生に教わったんですね。
[樋口陽一 ひぐちよういち:法学者・憲法学。立憲主義の歴史的発展過程や比較憲法学の位相から日本国憲法の現状(憲法・国家/統治権力・主権者との緊張関係)について語る含蓄が知られる]
ま、そこはまた別の処でお話をします。
まあこうやって本を持ち寄って、憲法の論議をする、と、まず出てくる問題は、何々裁判所でこういう判決が出た、一体憲法の目から見ると、その判決は間違って居るかどうかっていう事であり、そしてこういう法律が出たら、それは憲法のある規定と衝突するのであって、謂わば憲法違反の法律であり、無効であるべきである、と。いう風なことを言ってですね‥これは、判例法の国であるから当然である。判例法の国――成文憲法を持たない、イギリス、まさにそうですね。判例で以て憲法を積み重ねていく‥で、この考え方はですね、国際条約の中にもね、あるんですよ。例えばですね、僕らが作っていた‥障害者の権利条約。には、障害者の権利条約 には、reasonable accomodation [※合理的配慮]ていうのがあります。日本語に直すのがすごく難しい言葉なんですね‥。障害者政策を考えている人たちの中には、この合理的配慮っていう概念がなかなか――ここを踏まえないで、障害者政策っていうのが出来ないんですよ。
(※東大TVの中に、「無駄とされる人々」という、星加良司氏による卓越した2016年公開講座の講演動画がある。私見だが、近代産業革命(機械主義・合理主義)~優生思想~ナチスのホロコーストへと驀進する、或種の歴史的必然性を訴えもする、世の中と人間・生命の価値――役に立たない から 無駄 ~生きるに値しない まで。また、役に立つというのはどのようなものであり、どのように役に立っているものとするのか等々――に就ての含蓄のある講演であり、これは文字起こし者からのお勧めである)
合理的配慮――合理的配慮というものの定義とは何か、と。実はその、明確な定義って言うのは無いんですよ。いや僕は無いと思っている。では、じゃあどうやって作っていくのかと。例えばね‥えっと、解りやすく言うと、目の前で、原口一博さんは、眼が青いから、あなたは障害者だから、ここには入ってはなりません、と‥これは、直接的差別ですね。これは差別。
原口一博さんは、七回手術して足が動かないから、えぇ‥この階段を上がる事は出来ません、と。これを、間接的差別っていうんですね。本来だったらバリア――障害っていうのは、その人の "中に" 有る訳ではない。"外側に" ある。本来埋めるべきバリアを、埋めとかなきゃいけないんだ。これを、合理的配慮、というんですね。じゃあ、合理的配慮っていうのは、何処までが合理的配慮で、それを越えたら、何処までが差別なのか、と‥いうのは、判例で以て積み重ねていくっていう考え方なんですね。えぇ、もう一回本に戻りましょう。
成る程ね‥。ま、僕らが、ゼロから憲法を作っていたら、こういう風には多分成っていないだろう、って‥日本人がね。そういう想いが、入っているんじゃないかなぁと思いますね。-29:44
で、原文読みますね。
面白いですね。非常に率直に仰ってますね。(‥ニコ生の視聴者の反応などあり。中略‥)
と。
うん、これドイツ語だな‥recht Sehreって‥まあ、つまり根源ですね。根源・淵源はどこにあるのか、っていう事ですね‥。これが、決まっていなかった、と。
ここも面白いですね、ここだけ議論するだけで何時間も何日も掛かりますね‥。というのも、憲法の根本原理が、変えられてるのか、継承してるのか、戦争・滅亡・亡国、その中で、日本は何処まで連続性を持って居るのか。支配・占領・そして属国化‥。この中で、我々は何をすればいいのか。
ま、ここを問いかけるべきですね‥。
ええ‥もう一個。ここで、今日は終わりにしたいと思いますけども。
ここに、今までの論の中には一個も出てこなかった、非常にあの‥特異な言葉が出てきますね‥。卑怯って。卑怯に、口をつぐんでいる理由は無いのであり‥。これ、何を言っているんでしょうかねえぇ。
一寸仲間とまたね、ここ議論してみたいと思いますけども。‥‥
一定の根拠、つまり、法理。これもちゃんと詰めとこうね、と。そこを、眼つぶって、まあ‥
この時代に合わせた いい憲法だから、ってだけやってたんじゃ、ダメなんじゃないかって、言う事を仰っているような気がします。
これ、何回も何回も全部読まないと解んないですね。
じゃ、誰が持ってるんだろう?法制局長官もした人間が持って無くて、誰が?!持ってるの‥ムチャクチャ謙虚ですね。。。
" 怪しむべきものが、そのみちゆきに出てこなかったか???"
――憲法を「私」したり、憲法、日本国の憲法を、他の国に従属させたりするものが、出てこなかったか?と。‥‥いう意味だなぁ??
と。
みちゆきに、変なものが出てきたでしょうか?どうでしょうか?
みちゆきに、変なものが出まくって来たんじゃないですか?
う~ん。。非常に面白いですね。これぼく一気に読んだんですけど、これ、何回も読まないと、この、高度な知性の方が仰りたいことが解らんですな。
ん‥。と言うことで、今日はここで、閉じます。
憲法は、歴史の所産であると。
‥‥いうことをですね。それを、皆さんと共有したいと思います。
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「がらがらぽんでこの指止まれ」は、政権の誕生~交代だけであるのかどうかということも、皆さんとともに考えられるとよいかもしれませんね ♡
文字起こし者記