雨と休日
休職開始からしばらく経って、少し元気になってきた頃、人事との定期面談で「規則正しい生活をしてくださいね」と言われ、加えて同時期に休職していた友人は会社の規則で毎日休職日誌なるものをつけなければならないと言っていた。確かに自分の性格上このままでは廃人になりかねないという危機感もあった。せっかく時間があるのだから有意義に過ごさなくてはと、できるかどうかはさておき、ToDoリストを作成し、月曜日の朝には1週間の予定を立てることにした。
月曜日は勉強の日、語学や色彩検定について、火曜と木曜には図書館へ行く。それもうまい具合に家から電車で10〜15分のところに図書館がいくつかあり、運動も兼ね小1時間歩いて行く。水曜は映画がサービスデーなので映画館へ行く。いきなり週5日稼働はすぐにへばってしまうかもしれないと考えて、金〜日曜はフリーにした。そして「無理はしない」という条件をつけた。
結果は予想通り。数ヶ月経って、図書館は3ヶ所だけ行くことができた。気温がぐんと上がってからは生命の安全を優先することにしたので全く行っていない。勉強は適度に続けているが、進捗は日によりけり。ToDoリストは小さなことも含めて1/3くらい消化したところで緩やかになった。ま、私はこんなもんだろう。自分に甘い。
最近巷で噂の性格診断をやったが、納得の内向型。万年出不精な私にとっては、まず外へ出るという第一関門がある。そしてその日の体調や気分、天気などによって簡単に開く日もあれば、門扉が激重の日もある。考えてみれば、幼少期から家の中で遊ぶほうが好きだったし、小学校3〜4年あたりから漫画にハマりだして一人で絵を描いているほうが何よりも楽しかった。友達から「遊ぼう」と電話がかかってきても「今日はいいや」と断ることも多くなり、終いには誘いも減っていた、という典型的な根暗人生を歩んできていた。ここまで来ると学校や仕事に通えていたことが不思議になってくるくらいだ。
ついこの間、「0.5 の男」というドラマを観たのだが、ひきこもりの息子や思春期の娘に対する周りの姿勢に感動してしまった。今の自分に言われているようだった。一定の距離を保ち、無理強いはしない、そして美味しいご飯を作る。「頑張れ」なんて言わない。母親の「誰にでもそういう時期はあるものよ。」という言葉に安心した。そしてそれが一度きりだとも限らないことは私は知っている。
無理に外に出なくても良いという環境になってからは、門扉が重い日ほど安心して過ごせるようになってしまった。体調が悪い日は無理はしないでおこうと、ベッドやソファにくたくたに沈んでいく。今週はたくさん出掛けたから今日くらいは休もう。最近では頻発しているゲリラ豪雨、ちょうど夕飯の買い物に行かなければならないというタイミングで雷が鳴り出し、ざーっという音が聞こえてきた。台風で学校が休みになった小学生の気分で、家にあるもので作れる献立を考えるのである。(と言いつつもダメな自分は重々承知しているので悪しからずご容赦ください。)
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